第五十一話
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りを打って倒れた。
既に敵軍の中に飛び込んでいた俺は、縦横に槍を振るい、倒れた民間人が必死に逃げようとするのを援護した。
俺に追随し、味方を指揮するレイミアの姿を目の端に認めた。
逃走中の守備隊員が民間人を保護し、門の中へ逃げおおせたのを見届けたので、彼女と互いに援護し合いながら少しずつ後退し、城門前まで戻り付いた。
「敵の勢いが強い! 門を閉じれないから押し返すぞ!」
「オッケー! ほとんど一対一だ。 アタシらに勝てる相手なんざ居ないって見せつけてやろう!」
「応!」
……肩を並べて戦う俺とレイミアは何人の敵を殺したのか、二十人を超えたあたりで数えるのを辞めた。
だが、乾いた音を立てて何かが割れた音が聞こえた後、彼女の舌打ちの音が聞こえた。
大剣の刀身はなんともないが柄の部分が折れてしまい、慌てて抜いた小剣で防戦に追い込まれているレイミアの姿があった。
俺がかつてドリアス伯爵から贈ってもらった剣を鞘ごと渡そうとしたが、正面の敵に油断がならず、それもままならない。
彼女の小剣は物打の部分が折れてしまい、慌ててそれを投げつけた彼女は……
「こいつを借りるよ!」
いまだ俺には引き抜けない、かつて大賢者ハルクから授かった長剣----いつも背負っている----に、手をかけると一気に引き抜き目の前の敵を切り捨てた。
「……こりゃ凄い、ほとんど重さを感じない!」
"答える者"を手にしたレイミアの勢いは凄まじく、一振り毎に死者を生み出すだけで無く、斬られた敵の背後の者は剣圧によるものなのか打ち倒され、細かな切り傷を無数にその身に負い、苦痛にのたうちまわる様を作りだした。
生き延びた者達が、彼女に"地獄のレイミア"という二つ名を付け、恐れ、語り継いで行くことになる………
俺も奮戦したつもりではあったが……実力の差が歴然とした相手を目の前にした。
筋骨隆々としたその姿は、敵側の大将を若返らせたかのような姿であり、ねっとりした夜の海のように黒々とした髪を無造作に流し、眼差しは鋭く、熱した石炭のような焔を宿していた。
雰囲気だけで危険を察した俺は、槍の間合いを維持し、防御に専念することに定めた。
思わずすくみそうになる己を叱咤するために声を張り上げた。
「……ここから先は通さん!」
「哀れだな、自分の運命を呪え……」
そう互いに言葉を交わすが早いか、相手の剣が閃き、俺を襲う。
……剣による打ちこみをなんとかいなした、しかし、相手が斧に持ち替えたその刹那、一瞬に間合いを詰められ……盾を割られ、肩当ては吹き飛び、胸甲には大きなヒビが入るほどの斬撃を浴び、受け
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