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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第2話 歓喜する魂
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いもの、頭と尾が捻じれてしまっているもの……、形はけして綺麗とは言い難いものが多かったが、それらは間違いなく折り紙で出来た鶴だった。全く予想していなかったものを渡されたことに驚き、言葉を呑む。
一体、どれだけの時間をかけて折ってくれたのだろう。
……そして、一体何をこの子たちは祈ったのだろう。暑くもないのに、手のひらがじっとりと汗ばむ。声が震えそうになるのをなんとか堪えた。
「大変だったでしょう?」
「ううん、そんなこと無かったよ!」
「前にお姉ちゃんが折鶴の折り方を教えてくれたから、お礼に渡したかったんだ!」
「これで、きっと紅葉お姉ちゃんの脚も治るよね!!」
――――嗚呼。
私は静かに両目を閉じた。
子供たちの真っ直ぐで穢れの無い願い。他意など無い願い。
けれどこの両脚は、願ったところで治らないのだ。描いた夢は塗り潰されたのだ。
願っても、“無駄”なのだ……。
「……紅葉さん、ごめんなさい」
すると、重い足取りで奥から歩いてきた少女が、辛そうな表情で私に謝罪をしてきた。私より3つ年上の紀子さんだ。その向こうには、同じような顔をした中学生や高校生の人たちが立っている。
「私たちや先生たちが説明したのですが、分かってもらえなくて……」
「紀子ちゃん、どうして謝ってるの……?」
「そうだよ、別に悪いことはしてないでしょ?」
紀子さんや彼女の後ろの人たちの顔がますます暗くなっていく。私は、そんな紀子さんたちを安心させるように微笑みを作った。
誰も悪くない。悪くは無いのだ。
脚が治るようにと願った幼い子供たちも、理解させることが出来なかった紀子さんたちも。
「ありがとう、嬉しいわ。大切にするわね」
「本当? 部屋に飾ってくれる?」
「ええ、もちろんよ」
子供たちの頭を優しく撫でる。一体、どれほどの痛みをこの小さな体で受けたのだろう。一体、何度夜を泣いて過ごしたのだろう。
私には、推測することしか出来ない。実際に苦痛を受けた者にしか、理解など出来ない。
だから私は、せめて彼らを受け止める。それが、私に出来る最善のことだと信じているからだ。
「紅葉お姉ちゃんのこと大好きなの?」
後から様子を窺っていた幸歌が、そう子供たちに問いかけた。子供たちは少しも迷う素振りは見せず、
「うん! 大好き!」
「当たり前だろ!」
「紅葉お姉ちゃん、いつも色々な事教えてくれるもん!」
純粋な好意を一斉に向けられた。今まで経験したこともないそれらに、築き上げてきたあの決意が瞬間的にグラリと崩れそうになる。私は咄嗟に顔いっぱいに笑顔を張り付け、何とかそれに耐えた。
「ありがとう。……みんな、本当にありがとうね」
子供たちはエヘへと照れくさそうに笑う。先ほど千羽鶴を手渡してくれた女の子も、両の瞳
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