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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第2話 歓喜する魂
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「ひ、ひどっ」
「あははっ、紅葉〜、照れてるの?」
「照れる? 私が? どうして伸一相手に照れなければいけないのかしら」
「……紅葉ちゃん、僕もうそろそろ泣きそうだよ」
 ボソリと伸一が呟くと、耐えかねたように幸歌が吹き出した。彼女は目元に浮かんだ涙をぬぐい、
「ね、今度さ、3人でどこか行かない?」
「あ、いいね!」
 ゆっくり、ゆっくり私たちは進む。何だかんだ言いつつも、私は伸一に車椅子を任せていた。
「じゃあさ、水族館はどう?」
「……そういえば、来月リニューアルオープンする所があるって聞いたけれど」
「そうそう、そこ!」
「へえ〜、いいねぇ! 私、水族館は久しぶりかも」
「あ、そうなの? じゃあ、冬休みにみんなで行こう!」
 伸一が車椅子を押す手を止めた。その代りに、右手の小指を私たちに向かって出してくる。すぐに彼の意図を汲んだ幸歌が、その指に自身の指を絡ませた。
「ほら、紅葉も!」
「……まったく、この歳にもなってゆびきり?」
 呆れた言葉を返しつつも、私も指を絡めた。


「「「約束」」」


 今度こそは、絶対に。
 何故かそんな言葉が頭の中に生じた。







 木々に囲まれた児童養護施設。
 カラフルな鉄棒や滑り台を横目に通り過ぎ、正面玄関の裏にある職員用の玄関から中へ入る。
「お姉ちゃん! 紅葉お姉ちゃん!」
「みんなーっ、お姉ちゃんが来たよ!」
 今か今かと待ち構えていた様子だった女の子二人が声を張り上げる。バタバタといくつもの足音が楽しげな笑い声と共に近づいてきて、瞬く間に周りを囲まれた。
「みんな、走ってはいけないわよ。危ないわ」
「大丈夫だよ!」
 突進してきた子どもたちにそう注意すると、小学4年生の男の子が歯を見せて笑った。私も「仕方がないな」と思いつつも、笑みを浮かべる。



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「紅葉ちゃん、凄い人気者だね」
「いつもこんな感じなのよ。どうしてかしら」
「紅葉が優しいからに決まってるでしょ!」
 間を置かずに幸歌にそう断言されたが、あまり納得は出来なかった。飲み下せず、もやもやとした感覚を残す。
 優しい? 私が?
 こんな冷酷な私を、優しいと形容してみ良いものなのか。私より、幸歌や伸一の方が断然優しいと思うのだけれど。
 私は思わず後ろを振り返ろうとする。だがその行動は、視界に飛び込んできた何色もの折鶴に阻まれた。
「……え?」
「お姉ちゃん、これあげる!」
 差し出しながらニコニコと笑うのは、私がいつも担当をしている女の子だ。戸惑いながらも、それを受け取る。
「これ……、千羽鶴じゃない。どうしたの?」
「えへへ、みんなに手伝ってもらったの!」
 体と羽のバランスが悪
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