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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第2話 歓喜する魂
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ど」
あの夜の約束を思い出す。
必ずそれぞれの夢を叶えよう、と誓い合ったあの日を。
私はそのすぐ後に不可能な未来へと変わってしまったが、幸歌は叶えるチャンスがあるはずなのに。
「幸歌、部活だって重要なアピール場所よ。それなのに……」
「そ、それは……」
幸歌が今日初めて目をそらした。同じだ、と咄嗟にその言葉が頭に浮かぶ。
何と、と考えるまでもない。引っ越す事を告げたあの時の表情とそっくりなのだ。
嫌な予感がした。ピリピリとした感覚が電流のように走る。私はすぐさま問おうとしたが、それとほぼ同時に、
「――――あ、あの、紅葉ちゃん!」
伸一が大声を上げて割り込んできた。幸歌が目を真ん丸にさせる。私も突然のことに驚き、言葉を失った。けれどもすぐに気を取り直し、
「伸一、何かしら。今大切な話をしているのよ」
「だ、だけど」
「それともあなた、何か知っているのかしら」
「……な、何も知らないよ」
「そう?」
スッと目を細める。伸一は身を固くさせ、幸歌はオロオロとした様子で私たちの顔を交互に見ていた。誰一人として何も言わない。
子供たちの笑い声が、急に大きく聞こえだした。ザアザアと、葉の泣く音が私たちの間を流れていく。
私は深くため息をついて、知らず知らずのうちに入っていた体の力を抜いた。
……何をしているのだろう、私は。
幸歌がどんな部活を選ぼうが、彼女の自由だ。どんな将来を夢見て、どんな道を選ぼうが自由だ。
人は変わる。……変わらない人などいない。
当たり前のことだ。
幸歌も、伸一も、みんな変わっていく。私自身が良い例ではないか。
歌を歌っていてほしいなど、己の願望だ。それを押し付けるなんてどうかしている。
「……ごめんなさい、幸歌」
「え?」
「伸一にも謝らなければいけないわね。……ごめんなさい」
二人に頭を下げた。伸ばした黒髪が肩からさらさらとこぼれ、私の視界に影を落とす。
「ちょっ、ちょっと、紅葉ちゃん! 謝らないでよ!」
「そうだよ! 私、全然気にしてないから!」
「いいえ、そういうわけには……」
「大丈夫だから、本当に!」
「え、ええと、――――ほら、幸歌ちゃん、相談事って何?」
「……あっ、うん!」
伸一が無理やり話の路線を変えた。幸歌がワタワタとしながらも話し出す。
「じ、実はね、部活の人たちでオンラインゲームをすることになったんだけど……」
「うんうん」
伸一が相槌を打つのを聞いて、そっと顔を上げた。すると、二人はホッとしたような色を顔に浮かべる。
「……それでね、すぐには作れないらしいんだけど、ギルドっていうやつを作ろうと思っているの。これが名前の候補なんだけれど、なかなか決まらなくて」
「あー、ギルドか。確かに名前決めは悩むかもね
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