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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第5話 「……あたしは弱いのか」
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もありますが」
「ふむ……いえ、やめておきましょう。彼らは私の援助を断ったのよ。どこまで自分達でいけるか楽しみじゃない?」
「……彼らを試す、と?」
「そうね。案外、自分たちだけで勢力を伸ばすかもしれないわね」
「…………」

 ふふふ……桂花、不満そうね。
 貴方のことだから今のうちに殺してしまえとか言いそうね。
 でもそれは、私が認めない。
 覇道に花を添える存在がいなくては、何のために覇者になろうというのか。

「私の覇道に色を添える存在になればよし。ならねば野辺に屍をさらすだけよ。だからこのままでよい」
「……華琳様」
「まだ不服かしら? なら貴方には今日の罰も含めて(ねや)にて語ってあげましょう」
「はい、喜んで!」

 あらあら……猫が子犬になったようだわ。

「義勇軍のことはもういいわ。今後の黄巾の対策について話しましょう。桂花」
「あ、はい。では――」

 桂花の報告を聞きつつ、私はあの天の御使い、北郷盾二を思い浮かべる。

(登っていらっしゃい。もし敵対するのであれば……叩き潰してあげるから)




 ―― 盾二 side 冀州濮陽(ぼくよう)近郊 ――




 曹操の誘いを断った俺たちは、西へと歩を進めている。
 すでにあれから二十日が経とうとしていた。
 その間、周辺の邑や街で情報を集めつつ、義勇軍の勝利を喧伝する。
 その噂が広まる頃に到着しては、兵の募集と援助を請うていた。
 あの落とした陣にはかなりの資材と糧食があり、随分と大きな集積所だったようだ。
 雛里が「あそこは交通の要所でしたから」とのこと。
 なるほど。あそこが周辺の黄巾への物資と情報の連絡口でもあったということだ。
 となれば、周辺の黄巾は必ず弱体化しているはず。

 そう、これは好機だ。
 弱体化している黄巾ならば、多少多勢でも寡兵で勝てるはず。
 そう見込んだ俺たちは、兵力差はあるがほかの黄巾とも戦い、連戦連勝を重ねていた。
 あの五日間で、義勇軍は兵として最低限の調練を行ったおかげでそれらの戦いでも優勢に戦えたのだ。
 
 だが……俺は守りや待ち構える戦法ならば負けるつもりも兵を著しく損なうこともない、と思う。
 しかし、攻めは……苦手なのだ。
 だから”攻め”となった戦いでは、愛紗、鈴々にそれぞれ朱里と雛里をつけて補助とした。
 俺は一人の兵として戦いに赴いている。
 さすがに最初は泣きながらやめてくれと朱里や雛里に懇願されたが……俺の本質は兵卒だからなあ。

 だが、どうせ率いないなら、と前線で仲間の一人でも助けることを信条として戦う俺に、義勇兵達は奮起したらしい。
 ただの義憤や鬱憤晴らしとして参加していた暴れん坊たちも、次第に打ち解け、仲間を
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