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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
2学期の始まり
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刀を構えます。あれは……居合い?
 その構えを見た瞬間江本さんが後方に下がって距離を取りました。知っている人だけ分かる、というものなのでしょうか。明らかに江本さんの顔が引きつっています。

『今日こそ見切るぜ、『陽炎』!』

『響には無理』

『なんだとぉ!』

 やりとりは軽いんですけどね。でもその会話以降全く会話がなくなります。二人の間には真剣の切りあいのような緊張感が流れ、見ている私の顔も汗が流れます。次の瞬間に上杉候補生の方向からものすごい音が鳴り響きました。上杉候補生の足元にはいつの間に出来たのか小さなクレーターが出来ています。もしかして、今の音はあれが出来た音ですか!? 右足が中央にあるってことは踏み込みなんでしょうけど、踏み込みであの穴が開くって……一体どれだけの……
 次の瞬間、『打鉄』のシールドエネルギーが0になっていました。

『くっそぉ! またか!』

『今日も……響の奢り』

 え、え!? い、今一体何が……気づいたら上杉候補生が刀を振るった体勢で江本候補生の後ろに立っていました。
 ISのセンサーでも捉えきれない居合切りって……本当に言ってるんですか!?

「やほー、カルラさん」

「うわ!」

 考え込んでいた私の目の前にISを纏ったままの江本候補生が立っていました。全然気付きませんでしたよ。

「盗み見か? 感心しないなあ」

「私は最初から気づいてた……」

 こちらもいつの間に近づいてきたのか上杉候補生が隣に降り立ちます。刀を右肩に担ぐように持っています。何で量子化しないんでしょう?

「え、本当?」

「響はもう少し周りを見るようにした方がいい」

 二人がほぼ同時にISを解除してその場に降り立ちます。仲良さそうにしてますけどさっきまで本当の斬りあいかと思う緊張感だったんですよね。え、あの、上杉候補生? 何で刀そのままなんですか?

「あの、何でその刀は量子化しないんですか?」

「出来ない」

「はい?」

「これはISの武装じゃないから」

「は!?」

 上杉候補生はどこから出したのか鞘を取り出すと鞘を放り投げて刀を上に向けます。まるで吸い寄せられるように鞘が刀に降りてきてピッタリ収まりました。

「すごい……」

「練習すれば誰でも出来る」

「答えになってないよ千歳。この刀はISの武装じゃなくてただの真剣なんだってさ。だからすごい折れやすいけど切れ味は抜群。ま、使えるのは千歳だけだと思うけどね」

 私の疑問には江本候補生が答えてくれました。それにしてもものすごい技術ですね。恐るべきは日本の技術という事ですか。上杉候補生は鞘に収まった刀を背中に背負います。背負っても地面に引きずりそうになってますけど大丈夫
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