2学期の始まり
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あああああああああああ!」
ギャイン!
「うひゃあ!」
アリーナに入った瞬間に雄叫びのような声と金属が弾けあう音が響き渡りました。何の準備もしていなかった私は思わず声を上げて耳を塞ぎます。音の方向を見ると2機のISがぶつかりあっていました。纏っているISはどちらも日本のIS。1機は『打鉄』よりも戦国武将の鎧を具現化したような武装で、肩の非固定浮遊部位は『打鉄』の物ですがリアスカートが紺色、残りは全て白銀という綺麗な機体です。ただし『打鉄』とは明らかに違い装甲が厚く作られているようで行動を阻害しないように各部の可動部分が多く作られています。
もう1機はこちらも元々が『打鉄』なのでしょう。非固定浮遊部位が両肩の部分にありますが前面部が少なくなり、後方の大部分を隠すように配されています。また全体的に装甲前面部が少なく、特に肘と膝の部分は装甲が薄くなっているようで可動範囲も広くなっているのが分かります。色は何故か薄い白色に黒の縞柄、虎柄と言った方がいいのでしょうか。左肩の非固定浮遊部位には吠える直前の白虎がペイントされているので恐らく白虎柄と言うのでしょう。
―日本第3世代試作IS『毘沙門天』、日本第2世代IS『打鉄』―
ISが素早く検索結果を出してくれました。しかしあの白銀の方が『毘沙門天』としても、もう一機が『打鉄』? 確かに似通っている部分はありますがどう見ても『打鉄』とは思えないんですけど……
『久しぶりに自由に行けるんだ! 思いきり行かせてもらうよ!』
『望むところ……』
一般回線で声が聞こえました。この声、上杉候補生と江本候補生? 顔の部分だけISを展開して顔を確認すると『毘沙門天』は上杉候補生、『打鉄』は江本候補生が使っています。
上杉候補生が下げていた5mはあろうかという日本刀型の武装を上段に構え、それを見た江本候補生はボクシングの構えのように両手を構えました。え、まさか徒手空拳であの刀に向かうつもりですか!?
そう思っている間に2機がほぼ同時に前に出ます。上杉候補生が構えの通り日本刀を上段から振り下します。その刀の腹の部分を江本候補生は左手の手甲部分で払いました。長い刀を引き戻す隙をついて一気に伸ばされた右の拳を上杉候補生は右に半身を反らすだけで回避してそのまま回転すると今度は刀を横に薙ぐ。その刀を江本候補生は首を屈めて右肩の非固定浮遊部位で受け流し、そのぶつかり合いで激しい火花が散りました。よっぽど自分の動体視力に自信がないと出来ない芸当です。江本候補生が再度拳を振るう前に上杉候補生が右足を振り上げ腰の部分を蹴ることで距離を取る。
『くっそ!』
『お腹空いた……これで決める』
『うお! もう出すつもりか!?』
江本さんの驚く声と共に上杉さんが左腰の部分に
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