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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十一話 アイドルという名の謀略
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呈でございます』

「おっこの子も可愛いな、ん何処かで聞いた気がするんだけど?」
ブルームハルトの疑問にリンツが答える。
「カーテローゼ・フォン・クロイツェル伯爵令嬢と言えば、母親が同盟に亡命してたちの悪い男弄ばれて妊娠した挙げ句に捨てられ、母親の死で孤児になり帝国へ逆亡命したと言う話だったな」

「そうそう、そうですよね。先月の放送で話がばれた同盟政府は必死に隠したようだけど、俺達亡命者の間じゃ情報が直ぐに廻って彼女への社会の仕打ちに憤慨したもんだったですもんね」
「我々は所詮余所者と言う訳ですから」

「その為に、自分達は元同胞と血で血を洗う殺し合いをしなければ成らない」
「それしか、同盟に我々の居場所がない訳ですから」
「あーあ、救いようがないですよね」

リンツ、ブルームハルト、デア・デッケンがぼやく中、シェーンコップだけはTVに映る、カーテローゼ・フォン・クロイツェルの事を驚きながら見ていた。

いやまさか、この子はあの手紙にあった名前と年齢だ、それにローザによく似ている、俺の子なのか?俺の子が……

「副連隊長、副連隊長」
「ああ、リンツかどうした?」
「何やら上の空でしたので、ご気分でも優れないのかと」

「いや、昨晩ヴァレリーと一戦交えてな、単に寝不足なだけだ」
「副連隊長もお年を召されたようで」
「ブルームハルト、冗談は顔だけにしておいたほうがいいぞ」

「デア・デッケン酷いな」
「副連隊長、今日はこの辺にしておきますか?」
「そうだな、今日は午後は自由行動にする」

「イヤッホー」
「副連隊長、ブルームハルトには戦斧素振り1000回をさせますか」
「大尉、そりゃないですよ」

「まあ、休める時に休んでおけ」
「「「はっ」」」

そう言いながらも、シェーンコップの脳裏にはローザの顔と彼女の口癖が蘇っていた。


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