暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
10話:話す事は絶対必要
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「気をつけてね!」

士郎さん、恭也さんは裏山で剣術の練習を、それを聞いた美由紀さんは見学と言って慌てて二人についていった。これで今家には、なのはと俺と桃子さんしかいない事になる。

「さ、これでおしまいっと」
「うん」
「さて、それじゃ大事なお話って、な〜に?」

これをはじめに、桃子さんに今までの事を話した。勿論魔法の事、ユーノの事は伏せてある。なのはもうまい具合に話していた。
そして、その為に家を離れなければならない事も。
それでも話を聞いて言くにつれ、桃子さんの表情は険しいものになっていった。

「もしかしたら、危ないかもしれない事なんだけど、友達と一緒に始めた事を、最後までやり通したいの」
「うん…」
「心配、かけちゃうかもしれないけど…」
「そりゃあもう、いつだって心配よ!お母さんはお母さんなんだから、なのはの事も、勿論士君の事も心配よ!」
「お母さん……」
「…………」

桃子さんは両手で顔を覆う。母親が子を心配しない筈がないけど、やっぱり心苦しいな。

「でもね、二人がどっちにするかまだ迷ってたら、危ない事はダメよって言うと思うけど、でも、もう決めちゃったんでしょ?友達と始めた事、最後までちゃんとやり通すって。なのはは出会った女の子と、もう一度話をしてみたいって。
「……うん…」
「そして士君は…」
「自分の力で守りたいものを守る為に…貫きたい思いを貫く為に」

それを聞いた桃子さんは立ち上がり、俺達の頭をなでてくる。

「じゃあいってらっしゃい。絶対、後悔しないように。お父さんとお兄ちゃんには、ちゃんと説明しといてあげる」
「うん!ありがとう、お母さん!」
「本当にありがとうございます、桃子さん」

話も終わり、なのはと俺は席を立ち、それぞれ部屋へと戻り始める。

「士君、ちょっと」
「…はい」

だが、リビングを出る直前、桃子さんが俺の耳元にささやいてくる。なのはが先に部屋を出たのを見届け、俺はリビングに残る。

「何でしょう」
「あのね、士君にこんなこと頼むのも変なんだけど…」

そう言いながら両手を俺の方に置く。

「なのはの事、お願いね。あの子は色々と我慢する事があるから。だから…倒れちゃいそうになったら、支えてあげてね?」
「それは勿論です」
「それから……」

桃子さんの「お願い」に笑みを浮かべて答えると、桃子さんは肩に置いていた手を離し、俺の背中にまわして抱き寄せる。

「あなたも…何かを隠してどこかで無理するようなところがあるから。無理するようなことは…しないでね?」
「……わかってます。でも俺は――――」

「私達の本当の子供じゃない、とか?」
「っ!?」

俺の言葉を遮って桃子さんの声が俺の胸に突き刺さる
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