第五話「ファーストアラート」
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悠はアリシアとにとりの説明をふむふむ、と頷きながら静聴する。
「で、現場にはどうやって行くんだ?まさか、走ってか?」
「その心配は杞憂だ。先にこちらの世界に来ていた蓮子君とメリー君に、この世界の各所に〈楔〉を打ってもらった」
「なるほど。それで近くまで転送するのか」
「そ。とういうわけで、ここに入って頂戴」
「ささっ。時間がないからハリー、ハァァリィィィイイイ!!」
なぜか荒ぶり出したジェイルに気圧されながらも、プレシアが指した掃除用具を入れるロッカーに歩み寄る。
「これ、大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫だ。問題ない。すでに、にとりを現場に送った」
「いつの間に!?」
「その現場は、にとりと二人で対処してくれ。他の場所は私達で対処する」
「了解。あ、クラス『紫天』の皆はどうする?」
「私達は今回は留守番しています」
「初陣だからな。『遊戯』の相手がどんなものか見ておきたまえ」
ナズーリンの言葉にシュテル、レヴィ、ディアーチェは頷き、その間に悠はロッカーの中に入る。
「よし!準備完了。『仮面の道化師』、出動!!」
「ポチッとな」
アリシアがロッカーの脇に付いてあるボタンを押すと、悠の姿が消えた。
「さすがは、Made in JAPON」
「度胆を抜かれますね」
「いいな〜。ボクも行ってみたいな〜」
三者三様の反応をするディアーチェ達の前で、ナズーリン達はロッカーに入って現場へ転送される。
「役者は揃い、舞台は整いました。これから幕が上がるのは、『神』による悪戯とそれに巻き込まれし者達の泡沫の物語。ではでは、『道化』と『幻想』の皆々様方に、幸有らん事を」
シャラン、シャラン
天秤を揺らし、鳴らすとジャッジの姿は虚空に溶けるように消えた。
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