彼女の名前は
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黒猫から、美しい女性の声が聴こえた。
「神・・・やはり、私は神、なんですね・・・?」
『おや・・・?もしや、神格を無くしておられるのですか?・・・成程。あのような激しい戦闘を繰り広げていたのに、それがピタリと止まったので、どうしたのかと思っていたのですが、そういうことでしたか。・・・つまり、私に、御身の神格を霊視せよ、と・・・?』
黒猫の問いに、少女は力なく首を振って答える。
「・・・今の私には、その霊視・・・というのがどういう力なのかすら分かりません。しかし、この場所に来れば、私の由来も分かる。そんな予感がしました。・・・教えて、下さいますか?私には、どうしても救いたい人間がいるのです。」
『・・・まさか、まつろわぬ神に寵愛される人間が、この時代にいるとは・・・!』
思わず、といった様子で叫ぶ黒猫。慌てて口をつぐみ、彼女の質問に答える。
『現在の私は、霊視をする程の呪力すらありません。ですが、御身と、かのまつろわぬ神との戦いを目撃した際に、予想は付けています。・・・それでもよろしければ、答えさせていただきますが・・・。』
「構いません。例えその神格が外れていたとしても、恨みはしないと約束します。」
神との約束は、『絶対に守られる』か、『絶対に破られる』かのいずれかしかない。清廉潔白な神ならば、約束は絶対に守り、騙し討ち上等!みたいな神ならば、約束など簡単に破られる。・・・しかも、一番大事な局面で、だ。
この神はどちらか・・・それを考えながら、黒猫は話した。
『御身の神格は―――』
その直後、護堂の病室で、神器が起動したことなど、誰も知る由もない。
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