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自由気ままにリリカル記
妄想ー精霊王の一人旅の終着点ー
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ょっとこっちこい」
「なんだ? 千冬ねえ」
「今日からこの人に住み込みでお前を鍛えてもらう」
「あれ? 千冬ねえは鍛えてくれないのか?」
「私はドイツに行かなければならないのでな。そういえば名前を聞いていませんでしたね」
「おおっ。そういえばそうだった。門音邦介。歳は内緒。今は無職だけど金は配っちゃうくらい余ってるから全く心配はいらないよ。それで二人の名前は織斑一夏君と織斑千冬ちゃんでいいんだよね?」
「できればちゃんづけは止めてください」
「よろしく邦介さん!」
「それじゃあ家に帰ろうか。言っておくけど俺の修行は辛いぜ? 一夏君」
「望むところだ!」









どうも。生きて百数年で初めての弟子を手に入れてそれなりにはしゃいでる闇の精霊王こと門音邦介です。
「ほれほれ。まだするぞ?」
管理局を引退して早四〇年。あれ? 五〇年だったかな? 管理局でジェイル・スカリエッティを捕まえた後は適当に一生稼げる分のお金を稼いだ。
その頃には丁度地球が懐かしくなってきたというのもあるが、少し人間関係に疲れたというのもあるだろうか。
大自然を旅してみたいと思ったのだ。
それで、半魚人に変体せずに海を泳いで渡り、エベレスト山を長袖とGパンで登り、そこからスノーボードで滑り降りたりとそれなりに楽しい一日を楽しめた。
相棒も友達も全てミッドチルダに置いてきて、デバイスもない本当の一人旅も案外悪いものじゃなかったが少し寂しかったという気持ちはある。
「リインとアギトを連れてくれば良かったかなあ……」
「んぎぎ……どうかした? 邦介さん」
「いや、何でもないよ。まだまだいけるよな?」
「おう! ……い、いやちょっときついかなー?」
「いけるいける。後十センチいってみよー」
「っうぇ!?」
そんな俺は今一夏と柔軟体操をしている。
とりあえず普通の体育でするような柔軟とは違い、前屈は最初は手首が地面につくまで。長座体前屈は……大体八〇ちょい。開脚は一五〇度。反り返りは……まあ、倒れる寸前までで良いだろう。
これが修行時に最低限出来る範囲だ。少なくとも体は柔軟であればあるほどいい。
「まだまだお前はかた過ぎるなあ」
と言っても前屈では地面に手は着くから体は一般人で考えればそこそこ柔らかい方なのだが。
「そう言われてもこれ以上人の体は曲がらないって……」
「いやいや、最終的にはここまで出来るようにならないとな。
そう言って、一夏に俺の柔軟を見せる。
前屈は肘がつくまで。長座体前屈は百ちょい。開脚は床にべったりと着いたまま三六〇度一周させる。反り返りはイナバウアー。
ここまで見せたところで一夏の方を見ると何やらかなり驚いた顔をしていた。
「軟体生物っ!?」
「失礼な。せめてびっくり人間と呼んでくれ」
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