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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第五十話
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牲を出した敵側は、体勢を整える為に一度城壁から離れた。
 伝令があり、市長が俺に用があると言うことなので見張りには警戒を厳重に、事があったらすぐに使いを寄越すよう伝えて市庁舎へと足を向けた。



 市長の応接室に通されると、そこには既にレイミアが居た。
 促されるまま席に着くと、この街の有力者と思われる者達は口ぐちに質問を浴びせてきたのだが……

「……まずは、自己紹介いたします。 それがしはレンスター第二王子ミュアハ、昨年迄グランベル士官学校で学んでおりましたがそれを修め、故郷への帰り道にこのダーナに寄ったところ先程の騒ぎに巻き込まれたのです。……こちらは我が婚約者にして護衛役を務めるレイミア」

 一瞬だけぎょっとした表情でレイミアは俺を見たが、すぐにそれを消しそれ以上の態度を現しはしない。
 このお歴々は俺の身分の詮索はそれ以上は進めないが、信用したのだろうか? 王族への詐称は罪に問われることではあるが、そんな者はこの世の中掃いて捨てるほど居るだろうに……

「して、ミュアハどの、敵はいったい何奴です? 追い払う事はできそうですか? あぁ、そして何故
にあなたは軍隊を街中に留めておいでなのです?……いや、咎めている訳ではありませんぞ」
「順を追ってご説明いたします。 まず、敵の所属は今のところ不明ですが、訛りや外見の特徴的にイザーク人の可能性が高いと思います」

 俺は提供された飲み物で口の中を湿すと

「この堅固な城壁に拠っていれば敵を退ける事は出来なくは無いと思いますが………打って出て殲滅を計るということは困難を伴うでしょう。 兵を無断で潜ませていたのは心苦しいところでしたが、これには事情があって……」
「ほぅほぅ」
「故郷への帰還の途上、軽く病にかかりましてここダーナで養生させていただいておりましたが、その間に街の方々に大変良くしていただいたもので立ち去るのが名残惜しくなりまして」
「……そういう訳で殿下を連れ戻すように仰せ仕いまして護衛を連れてこの街を訪れたのですが、一度こうと決めたらなかなか意見を変えてくれない方なので兵共々、殿下のお気が変わるまでと滞在していたという次第です」
 

 レイミアは俺の言い逃れに上手く乗ってくれた。
 後で何を奢ればいいだろうか!

「なるほど。 バーハラからミュアハどのを守ってきた護衛に加えて、婚約者どのがここまでの道中に必要な護衛を連れていたのでまとまった軍のようになってしまったと」
「ご察しの通りでございます」
「いやいや、なんの、おかげでこうして街の皆が助かりました。 ……恩を受けておきながら誠に勝手な申し出となりますが、あとは我が街の守備隊に任せてはいただけませんかな?」
「……市長様のお立場上、その要請は当然の事と存じますし我らも従わね
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