暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
32*逃走中
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「やっぱり先生は私の所へ戻ってきてくれました。私達はやっぱり結ばれる運命なのですね」

とかいい始めた。

つかこれ……息が。

「ひ、ヒルハひゃん!ひき!ひきできはい!ふるひっ!ひにゅ!」

「あ、ごめんなさい先生。先生が私に会いに来てくれた喜びでつい」

「ハー、ハー……とりあえずシルバちゃん、自分に乗っているの、何、よけて」

「あ、そうですね。みんな、よけていいわよ」

ん?みんな?

彼女がそう言うと、続々と重みが消えていく。
そしてその正体は

「突然の奇襲で不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでしたご主人様。平に、ご容赦下さい」

深々と頭を下げる自分の使用人達(予定)である。

「先生がこの部屋へと飛んでくるのを見て、みんな一斉に隠れてこの作戦を実行したんです。先生を捕まえるだけの技量を持ってますし、みんなとても優秀で、頼りになりますよ」

そう言うは自称自分の嫁、シルバちゃんである。

「そして先生は彼らが最初に捕まえました。この勝負、私達の勝ちです」

……え〜。

「……マジですか」

「マジです、先生は誰にも渡しません」

そう言って彼女は自分にギュッと抱き着いてきた。

それに伴い周りのみんな、主に女子が

「奥様!そこで口づけです!」

「もっと胸を強調して!!」

「いっそここで押し倒しましょう!!」

「shut up!!君もここでマジにやらない!!」

こいつらは一体何をこの娘に教えてるんだ?

そしてひとまず落ち着いた彼女だが、なぜかここで急激に闇化しはじめた。

……なぜだ?

「にしても……あなたはなんで先生に抱かれながら一緒にいたんですか?」

そういいながら彼女は今までへたりこんでいた兵士へと向き直り、お馴染みの炎のナイフを取り出しはじめた。
それを見た彼は、顔をさらに青くしてがたがたふるえている。

ああ、だからさっきあんな怯えてたんね。

って!じゃなくって!!

「男のくせに、先生に抱き着くなんて……こんなゴミ!この世から消してやる!!」

そういいながらナイフを彼に振り下ろす。

ヤバッ!!

「ストォップ!!」

ガシッ!!

なんとかすんでで腕を掴む事に成功した。

マジギリギリッス。

「ヒイィィィ!!」

「なんで止めるんですか先生!!」

「殺し駄目!!やめなさい!!」

「ダメです!先生に近付く悪い蟲はみんな私が潰します!!」

そう言って暴れ狂う彼女は、明らかに異常な眼をしている。
この前殺されかけた時と同じくらい恐い眼である。

そしてそんな彼女に振り回されながらも、しっかり両手を正面から拘束して押さえつ
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