暁 〜小説投稿サイト〜
elysion〜第4の地平線の楽園と罪〜
YIELD〜リンゴの果実〜

[8]前話
季節は春。
私は毎年のように種をせっせと植える
またあの人に会えるから
そんな思いを胸にしてその果実を育てる
変わらない過去を思いながら、訪れない未来を思いながら
周りの人は私を見てきっと不毛な行為だと笑う
きっと不毛なのは彼らなのかもしれない
そしてそれと同時に、彼らは幸せなのかもしれない
根雪の土の下で、春を待つ大切な種
夏が過ぎたら収穫できるね
収穫して、生産して・・それはまた新しい果実(生命)を産む
最も遅い収穫・・それは果実(罪)を産む
季節が過ぎて今は秋の終わりごろ
私は・・・一夜限りの情事(ゆめ)をしてしまった。
それがいけなかったのだろう・・・
私は、しあわせになりたくなってしまった。
何で人は恋をするのか知りたくなってしまった。
嗚呼お父様、お母様
罪深き娘を哀れに思うなら、この世界を歪めさせてください
恋心が生んだ、真っ赤なリンゴ
手ではもぎ取れなくなってしまった。だったら鎌を使わないと
罪の結晶、真っ赤なリンゴ
嗚呼でも、今刈り取ったのは愛しい貴方の・・・

・・・公式は、確かに代償を・・・受け取った

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