第一部
第二章 〜幽州戦記〜
二十三 〜二人の勇士〜
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う。
私の腕を掴む稟が、震えていた。
「案ずるな。皆、大丈夫だ。それは、稟が一番良く存じている筈だが?」
「は、はい……。そうですよ……ね」
だが、震えは止まらぬか。
私は、稟の肩に手を回す。
「……歳三様?」
「皆を信じよ。不足ならば、私を信じよ」
「…………」
「私が皆を頼りにするように、皆も私を頼りにするがいい。その為なら、私は労を惜しまぬ」
「……そうでしたね。申し訳ありません」
震えが、止まったようだ。
「あ、あの……。暫く、このままで……」
「わかった。気の済むまで、そうしているが良い」
「はい」
稟の温もりと鼓動を感じながら、私は暫し、広宗城を見やった。
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