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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十二話
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遣は我々も予想していましたので。今は準備中です。その代わり、武官は此方のルールに従ってもらいます」

 東郷の言葉に大使達も頷いた。

「武官は各国二人までとし、武器の携帯は護身用の拳銃しか認めません。違反すれば罰金として十万ドルを請求します」

「……法外過ぎではないのか?」

「我々は武官の安全と信頼を考えてで言ったまでです。それに違反しなければ問題はありません。そうでしょう?」

『………』

 東郷の言葉に大使達は渋々と頷いて了承するのであった。


 一方、特地では新たな派遣航空部隊が到着していた。

「此処が特地……か」

「なに感傷に浸っているんだ坂井?」

 同僚である西沢一飛曹が坂井一飛曹に声をかけた。

「いやなに、これまで大陸にいたけど見知らぬ土地に送られたからな」

「まぁそれもそうだろうが慣れが必要だ。慣れれば大した事じゃないはずだ」

「そう言う西沢はどうなんだ?」

「まだ慣れてないな」

 二人はそう言って笑いあう。二人は横山保大尉率いる交代派遣部隊として特地に移動していた。

 機種はそれまでの九六式艦上戦闘機ではなく、四月に量産が開始された新型の零戦三二型である。

 零戦三二型は若干のエンジントラブルがあったが問題は無かった。

 なお、この零戦もそうだが陸海の航空部隊の機銃弾は互換性がないので双方で使用する事は出来ない。

 この結果、陸海は協議をして航空機銃の共通化をする事が決定した。

 この共通化は陸軍の一式十二・七ミリ固定機関砲であり、零戦も後の五三型から搭載されるようになった。

「それより聞いたか? 炎龍って奴は零戦の二十ミリでも効かないみたいだぞ」

「あぁ、遭遇した陸さんが二十ミリを撃ったらしいが貫く事は出来なかったみたいだな」

「だとすると炎龍とやらには陸さんの野砲くらいしか通用しないんじゃないのか?」

 二人はこそこそとそう話している。

「なに、龍と空戦が出来るんだからいいじゃないか」

「それもそうだな」

 二人はそう言い合った。なお、特地派遣航空隊は炎龍を考慮して戦闘機は全て新型機へと更新していた。

 海軍航空隊は零戦二一型四二機、零戦三二型十二機、九九式艦爆三六機、一式陸攻二七機である。陸軍航空隊は九七式戦闘機五四機、隼九機、九九式襲撃機三六機、九七式重爆二七機が新たに集結していた。

 特地であるがゆえに出番があると思いきや、中々出番が無かったりする。

 だが、そんな航空部隊にも帝都爆撃をする大役を任される事態にまで発展するのであった。







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