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SAOもう一人の聖騎士
追想〜爆ぜる獄炎、天舞う聖騎士〜

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クラディールサイド

「な、何だぁ!?」

礼拝堂を抜け、探索を続けていた俺達を突然巨大な揺れが襲った。一旦このダンジョン全体が巨大な拳で殴られた様な衝撃が来た後、立っていることすら困難な横揺れが始まった。その震動によって幾筋もの亀裂が壁にも床にも出来る。床は暫く耐えていたが、遂に耐えきれず砕けそこから長い銀髪の、巨大な、本当に巨大な巨人が現れた。その両肩に乗っていたのは・・・・・・・

「リズとクレイオスか!?」

「キリト!クラディール!大変なの!とにかく乗って!」

「乗れって・・・・・・この巨人にか!?」

ダンジョンの崩壊は一向に収まらず、それどころか激しくなって来ている。ここから脱出するにはこの巨人に頼るしか無さそうだった。ええい、ままよ!

「行くぞキリト!覚悟決めろ!」

「当に決めてるよ!」

二人で頷き合い、同時に赤黒い巨大な右手に飛び乗る。すると巨人は俺達を緩く握り、崩落して大穴が空いた天井へ跳躍した。

「「「「ぎゃあああああああああ!」」」」

四人全員の絶叫が見事に重なった。凄まじいGで上半身がもげそうになる。壁に足をかけて駆け抜ける。そりゃあもう、ズガガガガと。あ、リズが白目むいてる。確かに耐えられないよね、これ。

「脱出したぞ、妖精達よ!」

穴から脱出し、着地したものの勢いが殺せずズガガガガと滑って行く。

「止まれぇぇぇぇぇ!!」

別の穴に落ちる寸前・・・・・・何とか停止した。おい。あぶねぇな巨人王。ブレーキ存在しねぇのかよ巨人王。こんだけでかいと仕方ねぇかも知れないけどよ。

「クラディールさん、上!」

俺達四人(いや、スルトも含めて五人か)が見上げる上空では、俺達九種族と、巨人族とが激しい戦闘を繰り広げていた。理由は分からないが、巨人族の背中にも黒褐色の翅が生えている。

「おいスルト、あんた王なんだろう?止められないのか?」

「無理だな。奴等は氷の巨人族。敵対する火の巨人族の長たる私の声など聞かんさ」

「つまりあいつら全部ぶっ飛ばしても良いんだよな?」

俺の唇が自然と弧を描く。恐らく今の俺は、最高に質の悪い笑顔をしているだろう。少なくともリズが「う、うわぁ・・・・・・」と引く位には悪い笑顔。現実世界にもし悪魔が居るのなら、そいつは少し俺に似ているかもしれない。

「クラディール、お前だいぶ悪化したな。」

そうは言いながらも、キリトも俺と同じ位悪い笑顔だった。

「「さぁ、フィーバータイムのスタートだ!!」」

空中で爆ぜる獄炎。妖精達が舞う天へ昇るため、翼拡ぐ。
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