第一章 4
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は何となく分かる。それが先輩が『所属する派での能力』なのだから)
「新しい環境の場所に移って、まだ慣れなくてお疲れのところ悪いのだけどね、私は君達に―と言いたいけれど、部屋は別なんだね…まあいいか、君だけに話しておけば」
新しい環境って言いますか、ここら辺で昔住んでいましたし、慣れるも何も今日来たばっかりですから。
(それに、女であるエドと同じ部屋な訳ないでしょ)
この家の人達が、男と女が客として来ると聞いて、同じ部屋にならない様に配慮するのは僕も解かっていた。そもそも常識的に考えて、人間の恋人同士を同じ部屋に入れるのだったらまだしも、僕とエドは…そういった関係ではない。いくらパートナーだとしても、仕事上の関係だ―悲しいことだけど。
しかし一つだけ言えることは、もしエドと同じ部屋だったとしても、僕は絶対に興奮はしない―性的な意味で。普通だったらするかもしれないけど、僕は人間の時女でエドは男だったのだ。体の作りぐらい覚えているから、興奮のしようがない。それに、結構萎えるよ?昔女だったのに、女に対してするって…。
(―おっと、いけないいけない)
こんな話語っちゃいけない。仮にファンタジーなのだから、こんな夢のないことを出だしから書いちゃ。内容も少しずれてしまった。気を取り直して―
「話というのは、何の事でしょうか?」
そう、これだよ僕が言おうとしていた事は。
ローズさんは、嬉しそうに頷いた。
「それはね―『試練』の内容の説明だよ」
次の言葉を聞いて、僕は体を身構えた。
(神になる為には、『試練』を乗り越えなければならない…)
そうだ。学園を卒業する時に、僕達候補生は最高幹部の神に、祝福の言葉と共に神になる為の適正試験があるのだと聞いていた。
(だから今、僕らは人間世界に降り立っているのだけど)
遂に、そのルール説明がされるのだ…。以前ローズさんに聞いても説明して貰えなかったことを。
「―と言う事は、もう『試練』は明日から始まるのですか?」
先程までの眠気はまるで嘘みたいに、頭が冴えている。きちんとした態勢になり、次の言葉に耳を澄ませながら、待つ。この場所にエドが居ないことが惜しいが、でも逆に居たら話がはかどらないかもしれないし、話の内容を理解することが出来ないだろう。
「いや、『試練』は何時始まるか分からない」
(……え?)
自分の耳を一瞬疑ってしまう。だってローズさんは『試練』の説明をする為に、ここまで来た。と言う事は、明日かそれとも今週中かと思っていたのに―。
「何時、『試練』が来るか分からないんですか?僕らの事を試しているのは、そちらだと言うのに」
候補生を試す為に、ワザと『試練』の日を教えないのか、それともローズさんが忘れてしまっただけなのか…。
(それだったらただの馬鹿だ)
ローズさんが
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