第四十九話
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な? まぁ、ブリギッドさんが合流間に合えばもう十人くらいは増えると思うけど」
せっかく汲んで来てくれた水を飲んで彼女に礼を言うと、少し嬉しそうな表情を見せてくれた。
つられて俺も笑顔になり
「いろいろと下見がてら、なんか食べに行かないか?」
「そうだね、目釘も折れちまったしねぇ」
最低限の武器だけ携えて彼女と街を散策しながら屋台で串焼きになった肉だの、小麦粉かなにかの生地に肉やキノコ、玉葱なんかを挟んで焼いたもの、新鮮な生野菜は無い代わりに酢で漬けたり、塩漬けにされてからき出しされた野菜を使った料理は豊富で、長期滞在してもやっていけそうだ。
食べ歩いていただけで無く、あの望楼には何人配置すればいいとか、俺やレイミアのように黒髪黒目の人間が居たらそれとなく様子を見ていたのは……これはイザーク人かもしれないからだ。
ついでに武器屋の品揃えを良く見ておき、防具屋にはこの前発注しておいた盾と、金属製の胸当てや肩当ての進捗具合を確認した。
レイミアは愛用している大剣の拵え換装と刃砥ぎを頼んでおり、今は在マディノ時のように短めの剣を二本腰に差した剣士然としている。
二人で歩いているとからかって声をかけてきたりする輩も居るが、その時々で姉弟だとか坊っちゃんと護衛だのとアドリブで関係を変えて遊びながらダーナの街を散策し、アジトへと帰り着いた。
それから二週間ほど過ぎた日の午後、ブリギッド達がやってきたのだが……
「えへっ、ブリギッドさんに付いてきちゃった!」
「えへっ……じゃ無いだろう。 すぐに帰るんだ!」
なんと、シルヴィアがこの一行に紛れてやってきたのだ……
「ブリギッドさんもブリギッドさんでしょう、何故連れてきたんです」
「仕方無いだろう、せがまれたものだから」
「遊びに来た訳じゃ無いんですよ、いずれ戦場になるんですから」
「いいじゃない、この子役に立つよ」
「そういう問題じゃ無いでしょう!」
俺だけが一人怒っていて、周りの皆は危機感が全く無い。
……ったく、何考えてるんだよみんなして。
「来ちまったもんはしょうがないだろ? それともお前、一人で歩いて帰らすつもりかい?」
「レイミアまでそんな事言って!、何かあったらどうするんだよ!」
「そんときゃアタシが命張ってでもなんとかするよ!」
「……そこまで言うならもう知らない。……シルヴィア、特別扱いしないからな。それと、クロード神父に仔細書いた手紙出すんだぞ」
「うんー!」
……実際のところ、内通の恐れを持たずに信頼を置ける相手は一人でも多く欲しい、だからと言って、絶対危険になるここに留まらせていい訳が無い。
その日のう
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