第四話「翡翠のエンヴレイムを持つ者」
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アケミは直観で危険と悟り前進を止める、彼女は体内を循環するコスモスを手の甲に集め、薄紅のエンヴレイムを強く光らせた。
防御は万全、だが翡翠のエンヴレイムから感じたこともない力がアケミの肌をピリピリと刺激して、不安を煽る。
御剣から放たれる力は翡翠色の風に形を変えて彼の周囲を緩やかに漂う。
「他の色に来られたら厄介だ。もう、終わらせよう」
翡翠の風が一つの槍に姿を変え。
翡翠の風が一つの剣に姿を変え。
翡翠の風が一つの斧に姿を変える。
「調子にのるんじゃ……!」
風で形成された斧がアケミの炎の壁を一撃で粉砕、防御力に関しては現段階で出せる最高の状態だった、それをまさか一撃で破壊されるとは思いもしなかったアケミ。
「そんな……」
無防備な彼女に無情にも翡翠の剣が迫り、その形状を解放。
剣を形成していた強く鋭い風が彼女の肉を幾度となく切りつけ、細かい風の刃を纏った突風が彼女を後方へと吹き飛ばした。
「ッ!!!あぐぅぅうッ……あぁ」
砂埃が舞う、発生源はアケミが激突した壁から。
コツン、コツンと足音が大広間に響く、全身をズタボロにされ、後頭部を強打。アケミの意識は朦朧としていた。
「ぅ……ん……」
視界がぼやけて、よく判らない。
けれども朦朧とする意識の中で、彼女は確かに聞いた。自身を呼ぶ――。
「アケミ……」
「アケミッ!!!!」
二つの声を。
続く。
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