第三話「セイントハウンド」
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ド本部の総司令官をやらせてもらっている」
「総司令……!僕は新藤っ」
「知ってる知ってる」
微笑むと彼は一枚の調査書をぴらぴらと揺らして翠に見せた。
「あぁ……そういえば知ってましたね……」
「うむ、さて新藤君これからセイントハウンドの一員になって戦ってもらうわけだが……」
うん?
「あの、恐縮ですが、今なんて……?」
「?セイントハウンドの一員として、戦ってもらうわけだが?」
「……え?」
どうやら“紋章”と呼ばれる力に目覚めた者はここセイントハウンドで“ノーバディ”と呼ばれる敵と戦う事になっているらしい。
でもそれは強制ではなく、先ほど翠が無意識で書いていた契約書によって決まるらしい。
翠は唖然としていた。自分は何をしているんだと。
「な、なるほど」
正直“契約書”を書いた以上断るわけにも行かないので、翠は黙ってアーノルドの説明を聞くことに。
二人は検査室を出て長い廊下を歩く、アーノルドは歩きながらセイントハウンドとノーバディと呼ばれる敵について説明を始めた。
セイントハウンドとは世界中にある霊所と呼ばれる力の空間をノーバディと呼ばれる敵から守るために作られた防衛組織。
霊所は世界に七か所存在し、セイントハウンドも世界に七か所存在する。ここアジア・日本本部の他に北米、中南米、ヨーロッパ、オセアニア、中東、アフリカ支部が存在する。
そしてセイントハウンドの矛となるのが“紋章使い”、左手の甲に聖魂紋章を宿した者たちである。
「紋章使い……ですか」
「そうだ、だが安心してくれ、最初から戦場に行ってもらうわけではない」
翠のような素人には戦闘のプロである精鋭部隊か色・聖魂紋章使いが訓練の指導者として最低一人つくことになっており。
今回翠には色・聖魂紋章使いから一人つくことになっている。
「そしてこの戦いの要となるのが、色・聖魂紋章なのだ」
聖魂紋章とは世界の秩序を守る力“コスモス”が紋章化したモノであり、白い光を放つ。だが色・聖魂紋章は色のついた光を放つ特殊な紋章である。
翡翠、薄紅、紫苑、刈安、瑠璃、現在は五色の光が確認されており、その力は通常の聖魂紋章の約三倍と言われている。
「へぇ……」
正直約三倍と言われてもピン、と来ない翠であった。何せ普通の紋章使いの力というモノすらわからないのだから。
だけど、彼はすぐに知る事になる。
色を持つ聖魂紋章の力を――。
「だが先日色・聖魂紋章使いが裏切り――」
アーノルドの話の途中。突然、床が揺れる。
強い強い揺れ、それから数秒後警報音が翠の耳に襲いかかった。
揺れによって床に座り込んでしまった翠は耳を塞ぎながらアーノル
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