第四十八話
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」
「いや、そんな訳には。 命のやりとりに行くのであって観光じゃぁ無いんですよ」
「だからこそよ、私とエーディンの恩人のあんたに報いたい。それに許可を求めてるんじゃないよ!もう決めたんだし、それにさ、一人でも戦える者が欲しいんじゃないの? 狭い意味であんたの兵隊って全然居ないじゃない。 そりゃレイミアはあんたの言う事は聞くだろうけど、意見が対立したら彼女の兵隊は全部彼女に付くでしょ」
エーディンさんなら決してしないような鋭く危険さをも内包した笑みで彼女はそう告げた。
「それは仰る通りですが、危険すぎます。お考え直していただけませんか?」
「……あたしは十二聖戦士直系って最近ようやくわかったものだから、ご先祖さんのゆかりのあるダーナ砦に巡礼に行く。 そこでたまたま恩人に会ったら協力するってのが人の道ってものかな。ミュアハ王子が滞在している間はあたしもそれに付き合うつもり」
「……ふー、参りました。 でもなるべく遮蔽物に隠れて狙撃に専念するような形で頼みますよ」
「任せておきなさい!」
「じゃあ、もう一杯……おっと、エーディンさんを慕ってるかわいい子がいるので紹介させてください」
こちらのほうを時々ちらちら見ているアゼルを焦らした格好になるが彼女と引き合わせた。
「お久しぶりです、一度お会いしたきりなので覚えてらっしゃらないかも知れませんが、ヴェルトマーのアゼルです」
「……アゼル公子ですね。 よろしくお願いします」
「ボク達の為に今日はありがとうございます」
「とんでもない、公子はとてもご聡明そうですわね。 それに比べてうちの弟のアンドレイときたら、日がな一日トンボとりだのカトンボなどと子供っぽくて、少しは公子を見習うよう申しつけねばなりませんわ」
「ふふふ、アンドレイ公子は甘えられる姉上がおられてお幸せなことでしょう」
「アゼル公子にも、頼りになる立派な兄君が居られるでしょう。でも、そうですわね。もうアルヴィス公をお支えなされる側なのかもしれませんね」
……うーむ、アゼルがずいぶん落ち着いているな。
緊張して真っ赤になってもじもじしてしまうかと思ったのだが! ネタばらしをそろそろしたほうがいいかも知れないので彼女に目配せをした。
「アゼル〜、実はこちらの方はエーディン公女の姉上でブリギッド公女」
「うんー、なんかエーディン様の姉上が戻られたって話には聞いていたんだ。なんか雰囲気が少し違うものだからそうかも知れないって思ってたよ」
おお、気が付いていたとは!
「まだ名乗ってなかったしね。 ブリギッドです、公子さま」
「改めてよろしくです」
「こちらこそ」
その後レックスの姿を見かけたのでブリギッドとアゼルはそのままに、彼の方へと向
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