第二話「目覚める力」
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、手の甲の光が視界を遮っているからだ。
彼女は前方より放たれる大量の力によって目を覚ます。どうやら衝撃によって気を失っていたようだ。
「こ……れは……、解放……?あいつ、紋章の解放を行ったのね……よっし……!!」
紋章の力を肉体に流し込む、こうすることで肉体の痛みが緩和して動けるようになる。
彼女は肉体の自由を取り戻すとコンクリートの地面を蹴り、翠が放つ光の壁を突き抜けて、光によって身動きを封じられている化け物に炎の刃を浴びせた。
炎の刃は化け物の皮膚を絶ち、そのまま肉を焼き切っていく。
「はぁあぁあああッ!!!」
刃が地面に突き刺さる、肉体を裂かれた化け物はこの世界に存在出来なくなって、黒い粒子に分解され消滅。
彼女はすぐさま黒い粒子の先に見えるもう一匹の化け物に跳びかかった。
その速度は常人の目では追いつけない程だった。
高速の速度を纏う彼女が炎の刃が届く範囲まで来た、化け物は蓄積されたダメージによって既に満身創痍、彼女の接近に対応できる程の力は残されていなかった。
そうなればもう、彼女を阻むモノは何もない。
そこから繰り出された“一閃”はとても美しいものだった――。
「ふう」
黒い粒子が漂う中、一人の少女は息をつく。
その光景は幻想的で、彼は目を奪われた。
だけど彼女はそんな彼を見るなり表情を変え短剣の柄を強く握りしめる。
「あんた」
ドスのきいた低い声が前方から聞こえる、女の子が出せる声じゃあないでしょう、と突っ込みを入れたくなるくらい、ソレは低かった。
「は、はい」
「なんで聖魂紋章の解放が出来る訳?しッかもバインドまで、それに闍魂領域に介入出来るレベルって、あんた本当に覚醒前のド素人?」
良くわからない単語がぽんぽんアケミから放たれる、翠は苦笑いしながらそれに答えた。
「いや、違うと思います」
「じゃあなんで?説明しなさい役立たず」
「!?何でそこまでいわれなき「い・い・か・ら、説明なさい」
容赦ない彼女の攻撃に翠は渋々、適当に理由を作って答えた。
「……死にたくなかったんで無我夢中で、やってみたらできちゃいました」
「……」
「……あはは」
静寂がその場を支配した後、服が擦れる音が小さくなり、翠は逸らしていた視線を元の位置に戻すと、そこには。
短剣の刃が彼の首元を捉えていた。
ひんやりと冷たい感触が首を伝って全身に広がる、半端じゃない寒気が翠を襲うのであった。
「ッッひぃぃいいぃぃ!?本当だって!!」
「覚醒前のド・素人がやってみて出来たら苦労しないのよ!わかる!?あんたのせいでせっかくの休日がパーよ!あんな力
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