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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
エピローグ 重なりし運命
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い手であるクロムウェルの力がいると、半ば強制で連れてこられたのだ。
 七万の軍が、たった一人の手によって撤退に追いやられるなど、全く信じていはいなかった。しかし、どんな化物がやったのか、未だに信じられないが、たった一人の手によって七万の軍が撤退に追いやられたのは事実なのだ。
 無事ロサイスに辿り着いたクロムウェルだが、いつその化物が現れるか、未だ戦々恐々としていた。
 一刻も早くロサイスから離れたいクロムウェルは、何か理由を作り、ロンディウムに帰ろうと考えていると、窓の外から歓声が聞こえてきた。
 突然響いた歓声に、ビクリと身体を震わせたクロムウェルが急いで窓に近寄ると、窓の向こうに百隻近い戦列艦の姿があった。
 その艦隊が掲げる旗には、交差した二本の杖が描かれている。
 それはガリア艦隊の証。

「こ、これはっ、凄い……さすがは大国ガリアか……しかし、連合軍が撤退してから二日も経っているのだぞ? 今更来てどうするつもりだ?」

 逃げた連合軍の追撃をしようにも、下手したら既に自国に帰り着いているかもしれない。余りにも遅すぎる。今更来て何をするつもりなのか。クロムウェルは味方の筈のガリアの艦隊に対し、何やら不吉なものを感じていた。

「いや、それよりも何故今なのだ? まるで図ったように到着するなど……まさかミス・シェフィールドか……?」

 可能性としては、ロンディウムからその姿を見せないシェフィールドが情報を流したと考えられるが、しかしその理由は?
 アルビオン軍が撤退したという情報を手に入れ、何故ロサイスに向かったのだ? 
 しかもこの大艦隊。
 シェフィールドから情報を手に入れてから編成したには、数が多すぎる。
 何だ?
 何かがおかしい?

 右手の指の爪を噛みながら、クロムウェルがぐるぐると思考を巡らしていると、

「失礼しますっ! 只今ガリア艦隊が到着しました!」
「見ればわかるっ!!」

 ノックを忘れるほど慌てた様子の連絡士官が飛び込んできた。

「し、失礼いたしましたっ! あ、あの、ガリア艦隊より、クロムウェル閣下に伝言があるのですが……」
「伝言? 一体何の……」

 首を捻るクロムウェル。

「ご挨拶したいため、位置を知らせて欲しいとの仰せです!」
「挨拶だと? ……まあいい。そうだな、玄関前に議会旗を立てておけ」
「はっ!」

 クロムウェルの言葉に、敬礼で応えた連絡士官が退出する。
 連絡士官が出て行ったあとも、爪を噛みながらガリアの不審な行動の理由を考えていると、窓の向こうに見える前庭のポールに、神聖アルビオン共和国議会旗が上っていくのを視界の端に捕らえた。すると、議会旗の前に、百隻近い戦列艦が、素晴らしい練度を示すように、見事な機動で並んでいく。
 そ
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