暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第110話:テログループ討伐
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
口を開いた。

「ゲオルグくん。今回の作戦は迅速に運ばなあかんから、明日にでも
 情報収集に出てや。遅くとも明々後日には突入作戦を実行するからね」

「了解。今夜にでもシンクレアと行ってくる」

「頼むわ。基本的な戦術は私と隊長・副隊長陣で決めとくから」

はやてはそれだけ言うと、足早に屋上から降りて行った。
後には俺とフェイトが取り残される。

「ゲオルグ。 今夜にも行くって本気?」

俺が屋上から降りようと階段に向けて歩き始めたところで、
後ろからフェイトが声をかけてきた。

「本気だ。 潜入するには夜の方が適してるし、作戦日程を考えれば
 明日の夜では遅すぎる。今夜以外の選択肢はないんだよ」

「でも、きちんと準備しないと危ないよ。作戦開始を遅らせてでも
 万全の準備を整えてから・・・」

「甘い。向こうだって管理局が探り当てたことに気付いている
 可能性もあるんだ。迅速に作戦を展開しないと逃走されるかもしれない。
 それに、作戦計画を変更する権限は俺にはない。部長とはやてが
 作戦日程について決定を下した以上、俺はそれに従うのみだ」

フェイトの言葉を遮ってそう言うと、俺はフェイトに背を向けて
階段に向かって歩き出した。そのまま、早足で自分の部屋に向かう。
部屋のドアを開けると、目の前にシンクレアが立っていた。

「・・・なんでお前がここにいる?」

確かに、以前は俺の部屋でシンクレアが仕事をしていた時期もあった。
しかし、JS事件終結後しばらくして、シンクレアの正体を6課のみんなに
明かしてからは、共用のオフィススペースで仕事をするようになった。
つまり、俺が居ない間にこいつがここに居るのはおかしいのだ。
そんな思いを知ってか知らずか、シンクレアは真剣な表情で俺の問いに答える。

「はやてさんにゲオルグさんの部屋に行けって言われまして。
 潜入作戦をやるんですよね」

「ん? ああ・・・」

聞きたいのはそう言うことじゃない、と思いながらシンクレアに返事をすると
シンクレアがニヤリと笑う。

「そういえば、ゲオルグさん。 部屋のロックシステムから俺の
 魔力反応パターンを外してないでしょ。勝手に開いてびっくりしましたよ」

「は? マジか!?」

予想外のシンクレアの言葉に俺は絶句する。

(待てよ・・・、確か新隊舎の完成時にロックシステムの登録をどうするか
 訊かれて、面倒だから前のままでいいって答えたような・・・)
 
「スマン。教えてくれて助かった」

「いえいえ、セキュリティは大事ですからね。 で、本題ですけど」

そう言って、シンクレアは表情をもとの引き締まった表情に戻す。

「そうだな。まあ、座れや」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ