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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第110話:テログループ討伐
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敵基地の構造を
理解しておくことは非常に重要だ。
洞窟を基地化している場合、すべての出口を把握していなければ
気付いていない出口から逃走を許すことになる。
のみならず、突入部隊の背後に回り込まれれば一気にこちらが
全滅の危機に陥る。
それが身にしみているからこそ、俺は情報不足に対して危機感を覚えていた。

「馬鹿を言うな。作戦の中止は認められんぞ。テロの被害もバカにならん。
 ここらでテロリストどもを叩いておかなくては、テロの連鎖が
 際限なく続くことになるからな」

俺の弱気な発言に対して、部長が強い口調でたしなめる。

「ちょっと待ってください。シュミット3佐かてそのへんは理解してますって。
 そやけど、情報不足のまま突入してうちの人員に殉職者でも出そうもんなら
 目も当てられませんよ。部隊の責任者としてそれだけは避けんと
 いかんのですよ」

部長の叱責に対して、はやても強い口調で反論する。

「だからこそ6課に任せたんだろうが」

「必要な情報は自分で集めろってことですか?」

俺がそう訊くと、部長はにやりと笑って俺の方を見る。

「よくわかってるじゃないか。そういうことだよ、シュミット3佐」

「ですが、俺とクロス1尉以外の人間は潜入調査の経験はありませんが」

「情報収集にそれ以上の数が必要か?」

「それは・・・まあ、2名いれば十分ですかね」

「なら問題ないな?」

「そうですね。問題はありません」

俺の答えに対して、部長は満足げに頷く。

「他にはあるか?」

「いいですか?」

はやてを挟んだ向こう側から声が聞こえてきて、そちらに目を向けると
フェイトが控え目に手を上げていた。

「テログループは全員検挙とのことですが、罪状は?」

「現時点で決まっているのは公共施設に対する破壊行為だな。
 あとは、質量兵器の不法所持および使用だが、それについては
 身柄を確保した後に、起訴するかどうかを捜査部で決める。とのことだ」

「わかりました」

フェイトが納得したように頷くと、会議室に沈黙が訪れる。

「他に質問がなければ終了としたいが、かまわないかな?」

しばらくして、部長がそう訊きながら会議室を見回す。
それに合わせるように、はやてが俺とフェイトの方を確認するように見る。
俺とフェイトが軽く頷くと、はやては俺たちに向かって頷き返し、
部長の方に顔を向けた。

「問題ありません」

「よし、それでは頼むぞ」

「はい」

最後に俺たち3人はそろった声で部長に向かって返事をした。





本局から隊舎に帰る途中、俺達3人は終始無言だった。
隊舎に到着してヘリを降りたときに、はやてが重い
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