第十二話 アルビヨン
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ワイアットは現在アルビヨンに向かう船に乗っていた。
何故アルビヨンに向かう船に乗っているかと言うとアルビヨン王国のジョージ二世国王が倒れ危篤状態に
なってしまったからだ。
アルビヨン王国の継承権を棄てているとはいえ(兄弟間での発表のみだが)アルビヨン王国第二王子グリーン
と言うネームバリューは大きく、更に、そこにワイアットの根回しのためにばらまいた似顔絵絵画や美術品の結果宮廷内にワイアットの作品を持たぬものはいなく、アルビヨンの豪商から裏社会のトップ、果ては大成しそうな
軍人までワイアットを知っている始末、ワイアットは諜報網の構築際に美術品を配った時に、ガトー等のジオン残党の執念と嫉妬、怨念の怖さを身をもって知っておりその時の事から警戒して相手に嫉妬するであろう人が自分を逆恨みしないように全員に配った。
ただ、ワイアットは自身の作品を配るだけでは作品の付加価値を下げるだけだ考え、屑の売り物にならない宝石を使い配った人達に、独創的な(ワイアットは自身の記憶から引っ張って来ただけだが)デザインの装飾品や宝石箱を作ってそれらに自身の家紋(前世での家紋)を入れてなるべく職業別にわかるようにして自身の記憶に刻み
名前が出るようにした。
いつの世でもそうだが国の幹部に名を知っていて貰うのは名誉な事でありアルビヨン王国内では、ワイアットに名を覚えて貰うのと作品を貰うのが成功者のステータスとなっていた。
他国の豪商もアルビヨン王国の豪商を羨ましがってせがむも、ワイアット自身はくれてやりたかったが
ステータス扱いになったものをアルビヨン王国内だけでなく他国までに配ったら付加価値が下がりやがてワイアット自身の諜報網に傷がつきそうだったので泣く泣く止めたのだった。
話をもとに戻そう、つまりワイアットが呼ばれたのはその作品を持つ無数のワイアット派に対しての考慮の
結果でありワイアットを呼ばない事でワイアット派の反発で国が割れ過去に会ったような継承戦争をもたらさないためのマーベリックの案だった。
「懐かしいと感じる時の流れは早いものだ、ハンナ一緒に来なくても良かったのだぞ。」
ワイアットは同行者のハンナに話しかけた。
「グリーン様もうすぐアルビヨン王国に着きます。それと一年もたっておられますから、グリーン様が
良くても私も父ジーン・エギーユ・ガトー・マーベリックに呼ばれていましたから。」
ハンナがそう言うとワイアットは何故か汗を額に滲ませながらハンナに話しかける
「ハンナ君の父はなかなか良い名前だね、マーベリックの名前を全部聞いたのは初めてだったよ。」
ワイアットはマーベリックの名前に自身に対して怨念めいたものを感じて、冷や汗をかいたがハンナに知られぬよう誤魔
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