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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
第四話 貫かれる剣
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《諦めた》ことはない。






―― I have created over a thousand blades(幾たびの戦場を越えて不敗) ――





 『行くな士郎ッ!! 行くんじゃないッ!! お前が死んだら誰があいつを守るんだッ!!』

 『ニゲ……ろ……はや……く……ニゲテ……クレ』

 『何で……何でだよッ!? 何で逃げてくれないんだよッ!! あんたが死んだらっ! あいつはどうなるんだよっ!!?』

 『ねぇ……いいじゃない……私と一緒に逃げよ。誰も……私たちのことを知らない遠くまで……一緒に……逃げ……よ……ねぇ……逃げよ……ねぇ』

 『あんたが戦う必要なんかねえだろっ!! 何で戦うんだよ!? 何で逃げないんだよっ!? いいじゃないかたった一度……一回ぐらい逃げたって!! あんたを責める奴なんか絶対誰もいないんだからッ!!』






―― Unaware of loss(ただ一度の敗走もなく) ――





 『……何がしたいんだあんたは』

 報酬を求めなかった。

 『気味が悪いんだよ。一体何考えてんだ』

 男女少年少女善人悪人……誰彼構うことなく救った。

 『感謝はしている。だが、オレはあんたと関わり合いになりたくない』

 命の危機に陥っている者がいれば、これを全て救おうとした。

 『出て行けッ!! 俺の目の前からさっさと消えろッ!!!』

 全てを救おうとするが、何時も何時も……何かを取り零してしまう。






―― Nor aware of gain(ただ一度の勝利もなし) ――





 『私も行くッ!』

 ――駄目だ――

 『一人じゃ無理だ。……しょうがないな、俺も手伝ってやる』

 ――必要ない――

 『死にに行くようなもんだぞ。ワシも一緒に行こう。何、もうそろそろお迎えが来そうじゃしな。誤差の範囲じゃて』

 ――足でまといだ――

 『殺される前に、わたしがあなたを殺してあげる……だから……わたしも一緒に行くから』

 ――なら、ここで俺を殺せばいい――

 『何で……何で一人で行くのよ……確かに危ないけど……一人だけじゃ、絶対に死ぬわよ……ッ!!』

 ――……死ぬのは……一人で十分だ――






―― Withstood pain to create weapons(担い手はここに独り ) ――





 

 宝剣。

 名剣。

 真剣。

 魔剣。

 聖剣。

 神剣。

 妖刀。

 名刀。

 真刀。



 ……赤き荒野。


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