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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
第四話 貫かれる剣
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…ッ!!。

「なあっ! 相棒っ!」

 湧き上がる思いに押さえる、デルフリンガーが声を上げる。
 喜色が混じった声は、並ぶものがない成し遂げた功績の大きさに震えていた。早く士郎と会話をしたい。これを成し遂げた男と話しがしたい。驚く程に強い思いが自分にあることに戸惑いを感じながらも、デルフリンガーは士郎に話しかける。

「おい、相棒っ! 聞こえねえのかよ」

 だが、士郎は何も答えない。

「おい……なあ……相棒?」

 敵がいるわけではないにも関わらず、士郎から返事が返ってこない。たまにわざと無視される時があるが、そんな感じではない。
 デルフリンガーは、何やら言い様のない恐ろしさに襲われた。
 血の通わぬ身体に寒気を感じる。
 先ほどとは別の理由で震える声で、デルフリンガーは士郎に声を掛ける。

「っ、お、おい……あ、相棒……?」

 デルフリンガーの震える声に応えたのは、

「ッ……ァ……」

 声のない悲鳴、

「―――は?」

 そして、士郎の身体を突き破り現れた。

「け、ん?」

 降り注ぐ陽光を反射させ煌めく、血で濡れる刀身だった。

「あ―――……ッッ?! 相棒おおオオオオオォォォォォォッ!!?」









 何だ?
 ナンだ?
 なんだ?
 これは一体何なんだ?

 デルフリンガーは、今起きていることを理解出来ず、ただただ呆然としていた。
 士郎の身体から剣が突き出ている。
 血に濡れる剣は、士郎の肉を突き破り、腕から、足から、腹から、背中から現れる。
 敵?
 いや違う。
 士郎の周りに人の姿はない。
 何が起きているか全く理解出来ず、デルフリンガーは悲鳴のような声を上げながら、剣に貫かれ続ける士郎をただ見ているしかなかった。
 立っていることさえままならない筈の士郎を支えるのは、身体から突き出る剣だった。
 倒れそうになる度に、剣が身体を突き破り、その反動で士郎が倒れるのを防ぐ。



 それはまるで、

 ―――倒れることさえ許さないとの何者かの怒りの発露―――

 ―――罪人に下る罰―――

 ―――身に余る力を行使したことへの代償―――



 声を上げることも出来ず、士郎は剣に貫かれ続けている。
 悲鳴と変わらない声で、デルフリンガーは必死に呼び掛け続けるが、士郎からの返事はない。士郎の身体を突き破り現れる剣は、現れた唐突さと同じように、士郎の身体の中に戻っていく。
 どれだけの時間それが続いたのか。士郎の身体から現れる剣の数と速度が明らかに減ってきた。

 どさりと、士郎の身体が朝露に濡れる草原の上に転がる。

「相棒ッ! おいッ!! 相棒一体どうした! こりゃ一体
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