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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-15港町の夜
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て!」

 マーニャと少女は、連れ立って宿を出て行き、ホフマンは(うまや)に向かう。

 トルネコが、口を開く。

「事情を、聞かせていただけるのね?ユウちゃんの村のことに、(うん)(めい)、だったかしら。」

 ミネアが答える。

「ええ。トルネコさんが探しているという武器とも、関係あるかもしれませんが。はっきりしないことはひとまず置いておいて、わかっていることをお話しします。まず、彼女は、ユウは、地獄の帝王を倒し、世界を救うと予言された、伝説の勇者です。」
「それは、また。……いいえ、聞いたことがあるわ。いずれ、世界を救うという、()()を。探して、旅をしているという(かた)に、お会いしたことがありましたわ。ユウちゃんが、そうなのね。」
「そうですか。私たち以外にも、彼女を探していた人が。……とにかく、そのために、彼女は魔物たちから隠されて、山奥の村で人知れず、育てられたのですが。その村が、魔物たちに見つかって、滅ぼされて。彼女には、家族も、昔からの知人(ちじん)も、もういません。」
「……そう。自分のせい、って、思ってるのね。そんなこと、ないのに。」
「ええ。ですから」
「わかってるわ。勇者がどうこうなんて、言わなければいいのね。」
「さすがですね。話が早くて、助かります」
「運命、というのは、そのことなの?」
「それも、ありますが。彼女の(まわ)りには、(みちび)かれて(つど)う運命の者が、彼女以外に全部で七名います。私と兄、それにトルネコさん、あなたも。その、ひとりです」
「まあ、まあ。それは、よかったわ。」
「と、言いますと」
「あんな小さな子が、世界の命運(めいうん)を、()()わされて。それを、ただ見ているしかできないなんて、いやだもの。元々、あたしの旅の目的も、きっとこれだったのだわ。あたしが探している伝説の武器は、いずれユウちゃんが、使うべきものなのね。」
「そう言ってもらえると、助かります。彼女は、自分の運命に巻き込まれて、周りの人が傷付くのを、ひどく恐れています。でも、同じ運命を持った私たちであれば、その運命に守られるだろうと。そういった理由で、私たちが共にいることは、許容(きょよう)できていますので。」
「ホフマンさんは、違うのよね?」
「はい。ですから、いざという時には、私たちを見捨てて逃げてもらうよう、ホフマンさんにはお願いしています」
「それは、また。斬新(ざんしん)な、発想ですのね。」
「そうでも言わないと、受け入れてもらえそうもなかったので」
「そうね。なんとか理由を付けて、慣れさせることも、必要でしょうね。お話は、わかりましたわ。他になにかあるかしら?」
「あとは、そうですね……彼女の(かたき)で、魔物を(ひき)いていると思われる者
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