動乱の始まり
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り合いではない。何度か噂で聞いたことがあるんだ。私は剣道をやっているがその大会の時に……な。試合には出ないが恐らく誰も勝てない程の腕前の人物がいる、と聞いたことがある」
「それが上杉さん?」
「ああ、上杉と言っていた。実際に会ったことはないが1年に転入してきたのなら同い年だろう。候補生という事も考えれば試合に出てこなかったのも納得できる。そうか……」
箒さんはそれだけ言うと何か考え込むように黙ってしまいました。何か思うところがあるのでしょうか? 戦ってみたい、とか?
「ああ、いや変なことを言ってしまったな。食堂に行こう」
「は、はい」
今行ったら上杉さんと鉢合わせるんじゃないかなー、とか思いながら私は箒さんの後に続きます。食堂は丁度食事時という事もあって結構混んでいます。一夏さんたちは……まだ来ていないようですね。何か今日の食堂はある程度塊が出来ています。具体的には3つ。恐らく上杉さん、江本さんの組と残りの転入生のところに集まっているんでしょう。
「今日は騒がしいな……」
「転入生でしょう。ちょっと見てきます」
「あ、おい」
箒さんを置いて人の塊を後ろから覗きます。すごいにぎやかですね。ノリが良い声と共に笑い声が聞こえてきます。人垣の後ろから背伸びして中央にいる人を確認。
短い赤毛を後ろに纏めてブルーの瞳を持つその人は……エリス・ジャクソン候補生?
演習で見た顔ですし間違いありません。米国第3世代試作IS『ヴァルチャー』の操縦者だった人ですね。
これで日本に続き米国もですか。セシリアさんも言っていましたがなんだか国の介入があからさまになってきましたね。えっと、もう一つの方は、っと。
もう一つの塊は一方的に周りが語りかけている感じでジャクソン候補生とは真逆の印象を受けます。ダークブルーの髪を肩のあたりまで伸ばしているメガネをかけた小柄の少女、確か、ユリア・アーセナル候補生。今度はイタリアですか。これで主なIS国家は大体そろってしまいした。
一応これで転入生全員の確認は出来ましたね。本当にこれからどうなるんでしょう。ああ、箒さん待たせっぱなしです。早くいかなければ……
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「納得してもらえませんかな、織斑先生」
「納得も何も……私は1教師です。学園の方針には基本従います。しかしここまであからさまに他国からの介入を許すのはどうかと思いますが……」
IS学園の理事長室ではその本来の位置にいるはずの初老の男性、轡木十蔵が座り、机を挟んだその正面には夏用のスーツを着こなした織斑千冬が立っていた。
「しかし国際IS委員会からの直接のお達しでしてな。1学期の襲撃、VTシステムの暴走
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