暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動乱の始まり
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
かったですわ……」

 セシリアさんがこちらを見ずに言葉を続けるので、私も正面を見ながら返事をしました。

「カルラさんはどこまで聞かれましたか? その……例のISについて」

「直接聞いたのは機体名くらいです。後は、実際戦いましたしある程度は……」

「そうですか。申し訳ありません」

「別にセシリアさんが謝ることじゃありませんよ?」

「それでも、ですわ」

「そうですか」

 『サイレント・ゼフィルス』の1件についてはセシリアさんも聞かされているようです。コールフィールド候補はセシリアさんの先輩だと言っていましたし、襲撃事件の件も全て聞いているのでしょう。

「戦ってみた感想とか、聞かせて頂いても?」

「正直な、ですか?」

「はい……」

 セシリアさんの声に切実なものが入っているのを感じます。

「実力としては……私では足元にも及ばない程の使い手です。純粋なIS操縦技術もそうですが……セシリアさんと違って既に例の兵器を動きながら使いこなしていました。それだけ聞けばセシリアさんも実力が分かると思います」

「そう……ですわね」

 隣からは悔しそうな声が聞こえる。 ビット兵器の適性が最も高かったのはイギリスの国家代表、候補生全ての中でセシリアさんがトップ。それを上回っていたということはイギリスのISを使いこなしているのは開発したイギリスではなく亡国機業ということになります。これは国自体の面子も相当ですが、セシリアさん自身の誇りにも相当傷をつけることでしょう。と言ってもここで嘘を言っても仕方ありません。

「あとでその映像、見せて頂いても?」

「ええ、構いません。私の視点ですからあまり参考にはならないかもしれませんが」

「よろしくお願いしますわ」

「へえ、ここが第6アリーナか。やっぱ広いな」

 セシリアさんと映像データを見ようとしていた時、観客席の入り口辺りから聞こえた元気な声に慌ててそれを仕舞い込みます。セシリアさんも私の方に頭を寄せていたのですが一瞬でアリーナの方を向いているのは流石です。
 誰が来たのかと思い後ろを振り返ると生徒が二人おり、こちらに気づいたみたいで歩いてきました。黒髪のショートカットの人と小柄の鮮やかな黒い長髪を持った人はIS学園の制服に身を包んではいますが……

「おー、カスト候補生じゃないか。久々だねえ」

「ん……久しぶり」

「上杉候補生と江本候補生!?」

 夏休み、ジャクソン社の本社でパッケージについて説明した日本の代表候補生の二人、上杉千歳候補生と江本響候補生。確かどちらも自衛隊所属だったはずでは?

「えっと、カルラさんのお知り合いですの? 確かお二人とも日本の候補生だったと記憶しておりますが」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ