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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第1話 黒猫
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――――――――2018年 12月。


 日本最大の芸術専門の大学。その隣には、付属の芸術教室があり、バレエや演劇、歌唱、絵画などを部門別に習うことが出来る。
 そこに、私――――桐ケ谷紅葉は通っている。
 私はバレエと演劇部門を掛け持ちしているのだが、今日も大人と混じって――――別に小学生のみのクラスもあるのだが――――バレエのレッスンをしていた。
 そして今、来年の7月にある発表会での役が発表されたのだが――――少し、……否、かなり気まずい。

「――――紅葉ちゃんがオデット。いい?異論はないですよね?」
「……まぁ、小学3年生にもかかわらず、このクラスで一番上手ですし」
 ――――このクラス。
 そう、ここは私以外全員が大人。しかも、将来を有望視されている人たちばかりだ。
 その中に、私一人、小学生。
 それはとても不思議な光景で、なんで私だけ、と口には出さずとも思っている。そして、天地がひっくりかえったとしても、この空間で浮いた存在であることは絶対に変わらない、とも理解している。
 ちなみにオデットとは、『白鳥の湖』に出でくる、魔法によって白鳥に変えられてしまったお姫様のこと。
 この役は、オディールという役との1人2役をしなければいけない、とても難しい役なのだ。……単刀直入に、簡潔に言ってしまえば――――主人公になる。
 だから、何度でも言おう。
 なんで私なの、と。
 普通なら、小学生と大人では出来るハズがないのだ。身長差があり過ぎるのだから。
 けれども、幸か不幸か私は同年代の子たちよりも頭一つ分以上身長が高い。1つ年上の兄よりもちょっと高いのだ。よって一緒に舞台の上に立っていても、ギリギリ通用してしまうのだった。
 ……けれど、問題はそこではないのだ。
 この役は、非常に難しい役なハズなのだ。とても高度なテクニックを要求されるから、到底私みたいな子どもが出来るはずがない。本来なら、私よりずっと経験のある人がするべきなのに……。
「じゃあ、これでレッスンは終わりです」
 私が、拒めるわけがない。
 そんな意味を込めながら視線を先生に送っていると、いつのまにか話がまとまっていたようで、その一声でレッスン終了になってしまった。
 私は部屋の隅に畳んで置いていたカーディガンを取りに行こうと、大人たちの波に逆らって歩く。するとその途中で、立ち止まって話す2人の女性とすれ違った。
「――――あの子、演劇部門の方でも主役になったそうよ」
 ドクン。心臓が飛び上がった。
 グラグラと地面が揺れた気がして、思わず歩みが止まる。……しかし、その間も容赦なく会話は続いていく。
「えぇ〜? 本当?」
「うんうん、本当。そろ
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