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武で語るがよい!
約束と家族会議
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やはりそれは言いすぎなのでは? と私は思いながらお父さんの言葉に耳を傾けます

「お父さんや恭ちゃんよりも上……でも、憶測なんでしょ、お父さん」

「あぁ、だが、実力がある程度有るのは確かだ
それで、今日彼から挑戦状みたいに『真剣勝負をしてくれ』とお願いされてね、それを承諾したんだ」

「しょ、勝負って父さん! そんな実力も判らない様な子が相手なんて!
どちらかが大怪我でもしたらどうするのさ!」

その言葉に、自分でも気が付かない内に膝に乗せていた両手が自然と握り拳を作り、少しだけ小刻みに揺れるのが分かる……この感情はなんだろう? いや、もう自分で分かっている。
この感情は不安と恐怖が混ざりあったものなのだろう……『お父さん』そして『大怪我』
どうしてもこの二つのキーワードが並ぶと、いつもこうなってしまう……寂しかった、悲しかった虚勢を張って、ただただ家族に良い子を演じてた日々を思い出してしまうからだ

「その点については問題ない、彼の実力はさっきも言ったが僕以上の可能性が高い
そして僕の実力は恭也、お前がよく理解しているだろ? それに神田君に言われんだよ
『貴方だって一人の剣士です、強い人と力量を比べ合いたいと心の何処かで思っているはずですだからこそ、己の磨き上げた武と武で語り合いませんか?』……とね
この言葉を聞いて、正直自分と彼に驚いたよ。
もう忘れていた、このただただ力量の比べ合いへの欲求がまだ自分の中に残っていたこと
そして、それを思い出させてくれた彼にね。
だから、大人気ないと思いつつも、今の僕は彼に勝ちたいと思っているんだよ、恭也」

お父さんの今まで見た事の無い力強い瞳、そして力強い言葉……何とも言えない安心感が私を包む。
それを感じ取るだけで自然と手の振るえが納まる、他の皆も私と同じものを感じ取ったのだろう皆の顔に不安や戸惑いの表情は綺麗さっぱり無くなっていた。

「……分かったよ、父さん、ただし! 勝負の審判は俺がやる、それは譲れない!」

「あぁ、審判をやれるのは恭也位だからな、頼んだぞ」

そういってお父さんはお兄ちゃんに向かって手を差し伸べ、お兄ちゃんはそれを握り
硬い握手を交わしました。

「久しぶりに燃えてるね、お父さん、その勝負がんばってね」

「ふふふ、本当ね、こんな士郎さん久しぶりに見たわ」

そう言って、お姉ちゃんとお母さんは微笑んでいます。
それを受けたお父さんは気恥ずかしそうに頬を人差し指でポリポリと掻いています
皆、お父さんへ激励の言葉やへ笑顔を向けているのです、私も負けていられません。

「お父さん」

正直戦いなんて、お父さんにはして欲しくない、だが今は精一杯の笑顔でお父さんを励まそう。そして、激励の言葉を送ろう

「がんば
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