第二話
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る。政府の命令ではない……我々の単独行動だ」
「なっ!?」
「もちろん、最初はここの人たちを使ってと考えていた。だが、ここにいれば数人の兵士は能力を得ることができる。そうすれば……乗り物を使わなくとも……日本を乗っ取ることはできる」
「……何を言ってるか……わかってるんですか!!それは日本だけでなく……世界を敵に回すと言ってるのと同じでしょう!?」
俊司は声を荒げてそう言ったが、上条は全く動じてなかった。
「もちろん。ゆくゆくは世界征服も考えているさ」
「なぜ……そんなことを!」
「世界は今腐っている……すべてを始まりに戻すため……それならなんでもやるさ……」
「そんなの……あんたの考えの方が腐ってる!」
「現状を知らない貴様に何が分かる」
上条はいきなり声のトーンを下げてそう言った。俊司の体中を寒気が駆け抜けていく。
「……ま、君にはわからないだろうな。だから君は敵なんだ」
「わからないし……わかりたくもない」
「そうか……別にかまわん……時間だ。すまないが、私は失礼する」
上条はそう言うと席を立ち扉を開ける。そのまま立ち去ろうとしていたが、何かを思い出したのかふと振り返ると、そのまましゃべり始めた。
「おっと、言い忘れるところだった。君はまだここに残っていてくれ」
「……」
「君に会いたがってる子がいる。すぐに呼んでくるよ」
上条はそう言ってその場を後にした。
数分後
「……」
俊司は一人、静寂な空間に取り残されていた。
(幻想郷をのっとるだけでなく…日本まで…本当に止めないと…やばい!)
俊司は無意識に拳を握りしめていた。だが、現状を考えると何もすることはできない。一人無力さを痛感させられていた。
そんな時だった。
ガチャ
「……失礼します」
そう言って入ってきたのは見覚えのあるロングヘアーの少女だった。
「由莉香……」
「こんにちは……俊司君」
由莉香はそういって軽い笑みを返した。
「今はここにいたんだ」
「うん。一応未成年ってこともあって、お父さんがいる場所じゃないと行動できないんだ」
由莉香はそう言いながら座席に座り、俊司のことをじーっと見つめてきた。
「……なに?」
「ううん。こうやってゆっくり話せるのって何年ぶりかなって……」
「あーなるほどな。もう6年も経つんだもんな……」
「そうだね……ちゃんと勉強してる? 俊司君めんどくさがりだったから」
「あのな……俺もがんばってるって。そっちこそ、軍隊な
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