第72話 =現実のひと時=
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「……俺は悪くねぇ……」
言われなれるとかなれないの問題じゃなくて多分、こんなことを言われたら面と向かって言われたら大半の人が照れると思う。人間が出来てないからしょうがないよな、うん。
「んー!!……、わたし、遅れちゃったみたいだね。……何かあった?」
涼やかな音とともに大きな伸びをしながら最後の1人であるサウスがこちらへ歩いてきた。
「ん、いや…なんでもないよ」
「へぇ〜…なんでもない、ね……」
「そういえば、なんでサウスは遅れたんだ?」
理由を聞くとサウスは呟くと同時にその身体を振るわせる。キリトがその理由をさらに聞こうとするとに手のひらを向けてそれ以上は…というジェスチャーを声とともに出しておりいつも見せないその姿にびっくりしたのかキリトも思わず「お、おう…」と頷いていた。
「リーファもだけどサウスも大丈夫か?……今駄目なら落ちるか?…あとは俺たちでも大丈夫だと思うし」
「大丈夫、わたしをなめたらいけないよ」
「アハハ……でもあたしもいくわ。乗りかかった船だもん、最後まで付き合うよ」
リーファはサウスに苦笑いするとこちらを向いてそういうと勢いをつけてピョンとベッドから立ち上がった。
「さ、行こっ」
「あぁ!!……そういえば、あと1人足りないような…」
「あ……ユイ、いるか?」
キリトの言葉が終わらないうちに4人の中心に光が凝集しおなじみのピクシーが出現し眠たそうな瞼をこすりながら大あくびまでしていた。
「ふわぁ〜〜〜〜……おはようございます、パパ、にぃ、リーファさん、サウすさん」
ストンとキリトの肩に着地したユイはすでに眠気は飛んでいるようで元気ハツラツだった。
「おっはよユイちゃん。それにしてもずいぶん眠たそうだったね」
「おはよう。……昨日も思ったんだけど…ナビピクシーも夜は眠るの?」
「まさか、そんなことはないですよ。でもパパがいないときには入力経路を遮断して蓄積データの整理や検証をしてますから、人間の睡眠に近い行為と言ってもいいかもしれません」
「でもさっき大きなあくびを…」
「人間って起動シークエンス中はああいうことするじゃないですか。パパなんて平均8秒くらいやってますよ。にぃも長いときでパパ以上やってますし」
「うるさいなー」
「妙なことは言わんでよろしい」
小さな頭をぺチンと叩いてそのあとキリトのデコピンを喰らったユイはその衝撃で肩から落ちかけていたが、何とか堪えてキリトの肩に留まって文句を言っていた。その声は無視してキリトは黒い大剣を、サウスは盾と長剣を、リーファは自身の長刀を装備し俺はあの折れた野太刀の代わりにキャリバーンを装備する。
「さて、行こうぜ!」
「だな!」
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