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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
血色の少年
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リーファはなんとなく、このキリトとレンという少年達ともう少し話をしてみたいと感じている自分に気付いて少々驚いた。
人見知りとまでは言わないが、決してこの世界で友達を作るのが得意ではない自分にしては珍しいことだった。
悪い人達ではなさそうなので(何しろ助けてくれたのだし)、思い切って訊いてみる。
「ねえ、君達この後どうするの?」
「や、とくに予定はないんだけど………」
「まぁ、僕も急ぎの用事ではないし………」
「そう。じゃあ、その………お礼に一杯おごるわ、どう?」
するとキリトと名乗る少年は顔中でにこりと笑った。
「それは嬉しいな。実は色々教えてくれる人を探してたんだ」
「色々って………?」
「この世界のことさ。とくに…………」
不意に笑いを収め、視線を北東の方向に向ける。
「………あの樹のことをね」
「世界樹?いいよ。あたしこう見えても結構古参なのよ。………じゃあ、ちょっと遠いけど北のほうに中立の村があるから、そこまで飛びましょう」
「あれ?スイルベーンって町のほうが近いんじゃあ?」
リーファはやや呆れながら、キリトの顔を見る。
「そりゃそうだけど………ほんとに何も知らないのねぇ。あそこはシルフ領だよ」
「何か問題があるの?」
あっけらかんとしたキリトの言葉に思わず絶句する。
「………問題っていうか……街の圏内じゃ君はシルフを攻撃できないけど、逆はアリなんだよ」
「へぇ、なるほどね………。でも、別に皆が即襲ってくるわけじゃないんだろう?リーファさんもいるしさ。シルフの国って綺麗そうだから見てみたいなぁ」
「………リーファでいいわよ。ほんとに変な人。まあそう言うならあたしは構わないけど…………命の保証まではできないわよ」
リーファは肩をすくめると答えた。
愛着のあるシルフ領を見てみたいと言われれば嫌な気はしない。
それに、この辺では滅多に見かけないスプリガンを連れて帰れば皆驚くだろうなあ、と思う悪戯心も湧いてくる。
「じゃあ───」
「あ、ちょっと待って」
「ん?」
レンがリーファの言葉を突如遮った。
「連れがいるんだけど、一緒でいい?」
「……あ、もちろん」
そう言えばこの子の方から言い出したの初めてだなぁ、とか割とどうでもいいことを思いつつ、リーファは頷いた。
ケットシーの彼の連れならば、同じくケットシーの仲間なのだろうか。
「いいよ、来ても」
レンと名乗った少年が、背後の闇に向けてそう声を掛けた。
ゆらり、と背後の闇が揺れる。そこから吐き出されたのは───
「「うっ!」」
キリトと綺麗にユニゾンして呻く。
暗闇からのっそりと現れ
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