暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
8話:伝えきれない思い
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あの家族旅行から数日。穏やかに晴れた今日は窓に近い俺の席では絶好の昼寝日和。
なんだが………

「いい加減にしなさいよ!」

俺の安眠は大きな物音と、何者かの怒声によって妨害される。腕の間に埋めていた顔を上げ、教室の状態を確認する。

怒声をあげたのはどうやらアリサだった。物音はアリサが机を叩いたことで起きたものだ。その正面に座るのは、どうやら事の発端であろうなのはだ。そのすぐ側にはすずかもいる。
周りも少し驚くように三人の様子を見ていた。

「こないだっから何話しても上の空で、ボーッとして!」
「あ、ごめんね、アリサちゃん…」
「ごめんじゃない!アタシ達と話してるのがそんなに退屈なら、一人でいくらでもボーッとしてなさいよ!行くよ、すずか!」
「あ、アリサちゃん……。なのはちゃん…」

アリサはなのはにそう言い放ち、教室から去っていく。すずかはなのはが心配なのか、顔色をうかがうようになのはの顔をのぞく。

「いいよ、すずかちゃん。今のは、なのはが悪かったから…」
「そんな事ないと思うけど、取りあえずアリサちゃんも言い過ぎだよ。少し話してくるね…」
「うん、ごめんね…」

すずかはアリサの後を追い教室を出て行く。その一連の騒動を見た俺は、静かに席を立ち教室を出て行く。














「だってムカつくわ!悩んでるの見え見えじゃない。迷ってるの、困ってるの見え見えじゃない!なのに、何度聞いてもアタシ達には何も教えてくれない…」
「っ…」

俺達のいる教室から程近い階段の下から、アリサの声が響いて聞こえてくる。

「悩んでないっていうの嘘じゃん!」
「どんなに仲良しの友達でも、言えない事はあるよ。なのはちゃんが秘密にしたい事だったら、私達は待ってる事しか出来ないんじゃないかな?」
「だからそれがムカつくの。少しは役に立ってあげたいのよ!」

すずかの控えめながら的を得ている言葉に、アリサはまた声を荒げる。すずかはそれを聞いて、小さく声を漏らす。

「どんな事でも良いんだから…何にも出来ないかもしれないけど、少なくとも一緒に悩んであげられるじゃない!」
「……やっぱりアリサちゃんも、なのはちゃんが好きなんだよね」
「そんなの当たり前じゃないの!!」

その会話を俺達の教室がある階の前で聞いていた俺は、少し笑みをこぼす。

(生粋のツンデレ娘め。この会話、聞くべきじゃなかったな……)

そう思いながら頭をガジガジとかき、俺は教室へと足を進めた。















授業も難なく進み、放課後。未だアリサとなのはの間はぎくしゃくしたままだ。

「じゃあなのはちゃん、士君。ごめんね。今日は
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