暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
8話:伝えきれない思い
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私達、お稽古の日だから」
「夜遅くまでなんだよね。いってらっしゃい」
「小学生ながら夜までとは。まぁ頑張れよ」
と、なのはと俺は声をかけるが、アリサは明らか怒ってますって顔をしたまま行ってしまった。
「あっ、大丈夫だからね、なのはちゃん!」
「ぅ、うん。ありがとう、すずかちゃん……」
すずかもそう言い残し、アリサを追うように走っていった。なのはは気遣ってくれたすずかに向けて笑顔を見せる。だがその笑顔も、どこか不自然だった。
「……さて、俺達も帰るとしますか」
「うん、そうだね」
そう言ってなのはの机の横に置いていた鞄を掴み、教室のドアへと向かう。なのはも自分の鞄を持ってこちらにやってくる。
学校の帰り道、なのははずっと顔を俯かせたまま歩いていた。
「…………」
「…………」
しばしの沈黙。さすがの俺でもキツいぞこの状況。どうしたものかと悩んでいると、先になのはから口を開いてきた。
「二人で帰るの、久しぶりだね」
「…あぁ、そう…だな…」
言われてみればそうだ。ほとんどすずかやアリサと一緒だったもんな。まぁ、俺は一人で帰ることぐらいあったけどな。
「…士君。私、ちょっと寄り道して帰るから、先に…」
「や〜だ」
なのははそう言って脇道に入ろうとしたが、俺はそのままなのはの後ろについていく。
「士君……」
「…何言おうが、俺はついていくぞ」
「………わかった」
なのはも渋々と言った感じで、脇道に入っていった。俺もそれに続いて入った。
俺達が行き着いたのは、海の見える公園。なのははベンチに座って、また俯いていた。
「ほい、鯛焼き」
「あ、ありがとう…」
すぐそばで売っていた鯛焼きを渡し、俺も隣に座る。なのはは難しい顔のまま、黙々と鯛焼きにかじりつく。
「………(もぐもぐ)」
「お前、ほんとうまそうに食うよな」
「……士君…」
「ん〜?」
鯛焼きを口に頬張りながら、俺の名前を呼んでくる。俺は返事をしながらなのはの顔をのぞく。
「…私、アリサちゃんを怒らせちゃった…」
「……そう、だな…」
俯いたまま言ってくるなのは。俺は軽くそう返事し、日の光に染まっている海を眺める。
「でも、今悩んでいることは言えないんだよな。あいつらにも…勿論、俺にも」
「……うん…」
なのははさらに嫌な顔になり、返事も弱々しくなる。
「…なら、言えるようになるまで、ずっと悩み続ければいい」
「え…?」
俺の一言に疑問を感じてか、なのははようやく顔を上げて俺の顔を見る。
「でもそれじゃあアリサちゃん、怒ったまま…」
「そりゃあそうだろ。だけど、あいつらもなんとなくわかってる筈だぜ。お前が何も話さないのは、自
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