第四十五話
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優秀だったおかげで防げたが、背教者ニコラスはポリゴン片となっていた。
「レベルアップを示す場違いなファンファーレが響き、キリトが背教者ニコラスを倒して蘇生アイテムを手に入れた」
――サチ……サチ……
そう呟きながらアイテムストレージを操作するキリトに、もはや俺の姿など移っておらず、一心不乱に蘇生アイテムを捜して……その動きが、止まった。
「《蘇生アイテム》は確かにプレイヤーを蘇生出来た。だが、お前も知っての通り……」
「……10秒間限定」
俺の言葉を引き継いだリズの言葉に「その通り」と頷いた後、俺はそのまま過去のことへと話を戻した。
その何秒後か、何分後か、あるいは何時間後かの後、キリトが俺に蘇生アイテムである《還魂の聖晶石》を投げ渡した。
「『お前にやる』って言って、キリトはそのまま去っていった。アイテムの効果説明を見て、察したよ……これで話は終わりだ」
キリトと再会することになるのは随分後、俺が傭兵《銀ノ月》として活動出来るようになり、ボス戦の時にヒースクリフから呼び出された六十七層の対策会議でのことだった。
「え、えーっと……」
否応なしに暗くなってしまった場の雰囲気を、どうにか和ませようとリズが何か言おうとしたその時、営業時間外にもかかわらず《リズベット武具店》のドアが勢いよく開いた。
「やっほーリズ!」
「お、おじゃまします……」
突如として入り込んできた闖入者は、やたらハイテンションなアスナと、こっちはやたら声が上擦った今まさに話していた人物……キリトだった。
ヒースクリフとのデュエルに負け、《血盟騎士団》に入団して何か任務でもこなしているかと思いきや、普段通りの黒色の服に身を包んでいた。
「アスナ……いつも言ってるじゃない」
「ごめんごめん」
急にドアを開けるな、というリズの忠告はハイテンションになっているアスナには通用しないことが多い……まあ、そんな事は今はどうでも良いが。
「で、キリト。普段の格好に戻ってるって事は、まさか血盟騎士団から追いだされでもしたのか?」
「まあ合ってるような……こっちから出て行ったというか……」
なんだか言いにくそうに口ごもるキリトを、アスナが肘でつつきながら何かを催促するように目配せをし始めた。
「えー……この度、俺とアスナは……結婚、することになりました」
アスナから目配せを受けて、たっぷり一分をかけてキリトが発した結婚報告は、俺を硬直させてリズを狂喜乱舞させるに充分な威力を持っていた。
このアインクラッドにおいて、システム的にプログラミングされている結婚にはデメリットしかないと言って良い。
だけれども、そんなことなど意に介さないペアがその境地に
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