第四十六話
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せることを第一とし、ディアドラの母親については彼女が二十歳になるまで秘密にして欲しいと遺言を残して亡くなったということにして時間を稼ぐことに取り決めた。
隠れ里で一人寂しく暮らしてもらい、時折クルト王太子が訪ねるというのも一つの選択枝であり、目覚めた後の彼女の意思を尊重しようともしているが……出来れば俺はこの親子に仲良く一緒に暮らしてもらえればなぁ……なんて甘い考えを持っている。
「では殿下、お手数おかけ致しますが、跳躍の杖でバーハラまで飛ばしていただきたく」
「すまんがミュアハ殿、ここからだとエバンス城までがせいぜいだ。そして夜も更けはじめているがそれでも構わないか?」
「はい、もちろんです」
「では……参る。 跳躍!」
俺の足元に魔法陣が現れ、体が魔力に包まれていった……
……あ、やはり体質的にダメだったか、眠りが効かなかったからそうかも知れ無いとは思っていたが。
微動だけして取り残された俺の姿がそこにある。
前や前の前の世界でもそうだったんだっけ。
ダメージを受けたり回復する魔法は他の人の半分程度は効果があるのだが!
「どうやらわたしは魔法が効きにくい体質なものでして……」
「……眠りは早く目覚めたんじゃなかったのですね」
「ハイ、全部聞コエテイマシタ。モウシワケアリマセン」
頬をひきつらせたクルト王太子に微妙な視線を向けられながら精霊の森の夜は更けていった……
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