第四十六話
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が、教えて差し上げました」
「ロプトの血を引く者は……処刑されるのだぞ、あの人が……そんな」
「そうですね」
「!……関係無いからとそうも涼しい顔をされては、私とて腹に据えかねるぞ!」
「お待ちください、殿下。 その定め、誰が決めました?」
「それは、我が先祖ヘイムをはじめ十二聖戦士が……」
「超自然的な要素で変えようも無く定まったもので無く、人が定めたものなのですから変えればよろしいでしょう。現にアルヴィス公はそれを目指しておられますよ。……確かに長年の慣習になってしまったがゆえ、それが当たり前になってしまったこの世界の多くの方は考えも及ばないでしょう。しかし、十二聖戦士家がやっているロプト狩りは、かつてのロプト帝国の行っていた弾圧と規模や名目は違えど似通った部分はあるのですよ。その話は別として、生まれつきロプトの関係者であるだけでは罪に問わねばよいでしょう。ロプト教徒であって犯罪を起こしていない者をどうするかは又、別の議論が必要でしょうけれど…… そして、殿下とてお思いなられたことはありませんか? 【なぜ自分はこの家に生まれてきたのか】と」
「若き日はそう悩んだことが全く無いとは言えないが……」
「自分で選んで生まれおちる先を選べないのにそれが罪だなんて、私は納得いきません」
思わずヒートアップした俺は机を拳でどんと叩いた。
「しかしだ……六公爵家、ひいては残り五つの聖戦士家全てが同意すまい」
「ならば、グランベル王家直轄領のみでそうされてもよろしいでしょう。戦後百年を節目に……など理由はなんとでも。 追随する公爵家があるでしょうし、反対派には餌をやって抱き込むことをお考えになってみてはいかがでしょう。生き残ったロプト教徒は、アルヴィス公を脅迫して集めた財で魔道士を育て、兵も集めています。 このまま膨れ上がる前に、脅迫することが出来ぬようにすることで勢いを弱めることも肝要」
「今の話、まことか?」
「……このヴェルダンとてロプトの手が伸びてます。 恥ずかしながら我が北トラキアのコノート伯レイドリック、それにイザークのリボー家、シレジアでは王妃派以外はことごとくロプトの魔道士を雇うなり傀儡にされるなりしておりますぞ、ヴェルトマーから引きだす財貨を断ちきるために、殿下は愛するあの方と負い目を持つあの方のご子息をあやめることなどできますまい……」
「貴公のことだ、今それを証明する証拠は無くとも実際に確かめたらその通りなのだろう……」
「恐れ入ります……」
忘れる前に、俺はマントを外してディアドラさんに掛けようとしたが彼女の父親に制され、彼は自身の上着をかけてやっていた。
その後の話し合いで、まずはアルヴィス対策にロプト関係者生まれの者をそれだけを理由で処罰しないようにする法を成立さ
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