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東方守勢録
第五部
第一話
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きとは違う優しい表情をして話し始めた。


「すまない……事情も知らずに変なことを申してしまって……」

「いえ、いいんです。こいつらがやってることは間違ってますから」

「ありがとう。君……名前は?」

「里中俊司です」

「そうか……こっちは……自己紹介しなくてもいいか」

「はい。八雲藍さんに橙さん……それと……」






「東風谷早苗さん」





「……」


俊司の反対側に座っていたロングヘアーの少女は、何も言わずに俊司の方を見ていた。


「……話は前に聞いていました。あなたが私達に手を貸している外来人の少年ですよね」

「はい」

「永遠亭への攻撃の際……やつらに手を貸してしまいすいませんでした。ですが……事情があってのことなんです。どうしても……さからえなくて……」

「わかっています。神奈子様と諏訪子様のことですよね?」

「はい。今もどこかに捕えられて……」

「あの……そのことなんですが……」


そのことと言われ不思議そうに俊司を見る早苗。

俊司は少しためらいながらも口を開いた。


「神奈子様も諏訪子様も……革命軍に捕えられていません。いまも守矢神社でやつらの攻撃を防いでいます」

「!?」


衝撃の事実を聞かされた早苗は、目を見開いて絶望したかのような表情をしていた。


「なにを……おっしゃってるんですか!そんなわけ……」

「その事実を知ったのは昨日のことです。文が守矢神社に偵察に向かった際、お二人と話をしています。お二人が言うには早苗さんは知らない間に出て行ったと言っていましたが……」

「そんな……ですが!証拠として写真も見せられて……」

「外の技術を使えば合成写真も作れます。それを知らない幻想郷の住民を騙すなら十分だと思いますし……」

「うそ……では……私は騙されてたんですか!?」

「そうだと……思います……」


俊司がそう言うと、早苗は再び絶望したかのように頭を抱え込むみ、その場にうずくまってしまった。

彼女にとっては人質を取られ仕方なく行ったこと。だが、実際は人質はおらず騙されていただけ。早苗の中には罪悪感と後悔の念がふつふつと浮き上がってきていた。


「そんな……そんな……私は……私は……なんてことを……くっ……ひぐっ……」

「早苗さん……」

「顔をあげなさい」


何もできずにいた俊司を差し置いて声をかけたのは咲夜だった。


「あなたは騙されていただけなのよ?自分を責めるのはよしなさい」

「ですが……ぐすっ……私は……みんなを……ひぐっ……危険な目に……」

「私だって……同じ状況に立たされたらそうするわ
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