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まぶらほ 〜ガスマスクの男〜
第三話
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気が付いた。


「そういえば、リーラさんはここにいて大丈夫なの? メイドの中でもかなり上の立場だと思うんだけど、城の主人の許にいたほうがいいんじゃない?」


 見たところメイドさんを統括する立場にあると思うのだけど、そんな人がここにいても大丈夫なのだろうか。


「……確かに私はメイドたちの長を任されております。ですが、今は式森様に仕える身ですので、お気遣いは無用です。それと、リーラと呼び捨てでお呼び下さい。メイドに敬称はいけません」


「そう? ……ん〜、ちょっと抵抗があるけど……リーラ、でいい?」


「はい、大変結構です。今後はそのようにお呼び下さい」


「うーん、ちょっと慣れないけど、まあ、頑張ってみるよ。こんな美人さんにお世話してもらえて悪い気はしないしね」


「そんな、美人だなんて……勿体ないお言葉です」


 リーラさんは首から上を朱に染めた。あらら、これは意外だ。


 クールに聞き流すと思っていた俺は思いがけない反応にマスクの下で目を丸くした。心なしか恥ずかしそうに目線を落とすその姿に、胸が高鳴るのを感じた。


 ――よくよく見れば、リーラさんって凄い綺麗なんだよなぁ。ちょっと考えられないくらいに……。俺も仕事で色んな女の人を見てきたけど、ここまでの美女は目にしたことがないな。


 改めて傍らに立つメイドさんをしげしげと見やり、感嘆の唸を覚えた。


「ごちそうさま。美味しかったよ」


 デザートも含めてすべての料理を平らげた。今まで口にしてきた料理の中でも明らかに最高峰の逸品だったね。いやー、満足満足。


「コックにも伝えます。きっと喜ぶでしょう」


 我がことのように微笑んだリーラさんは失礼しますとの声とともに一礼して退室した。


 食事が終わると途端に手持ちぶさたとなってきた。室内にはラジオもテレビもないため暇を潰せそうなものが何もない。PSPくらい持ってくればよかったかな、と思った時だった。


「うん?」


 ふと屋敷内の空気が乱れるのを感じた。外から聞き覚えのある軽い音が響き、色々な気配が世話しなく動き回っているのが分かる。


 窓から下を眺めると、数人のメイドさんたちが慌てたように屋敷に駆け込み、入れ違いに十人ほどのメイドさんたちが飛び出して行った。その手に銃器を握りしめて。


「……戦闘?」


 外で響いていた軽い音は次第に大きくなり、屋敷の庭からはエンジン音が聞こえてきた。


 ――戦車の駆動音!?


 窓の外が一瞬、パッとライトアップされる。それを見た俺は急いで窓から離れた。身を屈めると同時に重い音を響かせたような爆発音が轟く。


 ガラスがピ
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