第二話
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「メイドのメイに度数の度と書いてメイ度だ。日本で出来た言葉だぞ。体温と同じで人は誰しも多かれ少なかれメイ度を持っている。このメイ度が高ければ儂のように多くのメイドを雇用でき、主人として認められるのだ。彼女たちは儂に絶対の忠誠を誓っておる。その証拠に、どんなことをしようと――」
そう言ってご老人がリーラさんのお尻に手を伸ばす。だらしなく目尻が下がっていたが、バキッと鈍い音が室内に響くと、ご老人の眉が跳ね上がった。額から脂汗をダラダラと溢す。そんな主の様子を気にした風もなく、リーラさんがご老人の手を元の位置に戻した。
「まあ……、なんだ……。その……慕われるのだ……」
「……」
まあ見なかったことにしておこう。
手をさするご老人の隣で素知らぬ顔で佇むリーラさん。
「おお痛い……。まあ兎に角、儂たちは君を歓迎するよ。暇なら何日でもここにいてくれて構わない」
「それはありがたい申し出ですが、実は俺、遭難したんですよ。元々は違う場所に向かっていたんですが」
「それは知っている。実をいうと、君の飛行機を撃墜したのは儂たちなのだ」
「はぁ!?」
いきなりなに言い出すんだこの爺さん? この人たちが撃墜しただと?
「ちょっと冗談が過ぎるんじゃないですかねぇ。流石の俺も怒りますよ?」
もし、なんらかの意図の元、故意に飛行機を墜としたのなら、どうするか……。
――どうしてくれようか……。
「お、落ち着きなさい。本来なら到着地の島に船を出して、君を迎えに行くはずだったのだ。ところがこの島は敵に備えて警戒体勢に入っていてな、君の飛行機を敵機と誤認して攻撃してしまったのだよ。大変申し訳なかった」
『申し訳ございません』
知らぬ間に怒気を発していたらしく冷や汗を流したご老人が頭を下げた。それに合わせ、リーラさんを始めとしたメイドさんたちも一斉に頭を下げた。
――まあ、反省もしているようだし、誤射のようだからいいか。俺は無傷だしな。
「頭を上げてください。誤射のようですし、幸い俺はこの通り五体満足です。この件に関してはなにも問いません。……ところで、俺を迎えに来ると仰っていましたが、それは?」
「本当に申し訳なかった。それに関してはまた後で話そう。今はゆっくり旅の疲れを癒してくれ」
――急いて聞くような話でもないし、目的もない気儘な一人旅だったからな。少しここに滞在するか。元々、慰安のつもりで旅をしていたんだし。
「では、お言葉に甘えさせてもらいます」
「うむ。夕食は部屋に運ばせよう。豪勢なものを用意させるから楽しみにしてくれたまえ。ああ、そ
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