暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
二人の乱入者
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ルも移動し、剣を高く振り切った姿勢で停まる。再び死を告げる炎が噴き上がり、二人目のサラマンダーも消滅した。

スピードにばかり眼を奪われていたリーファだが、今更のように少年の攻撃が発生させたダメージ量の凄まじさに気づいた。二人のサラマンダーのHPバーは、全快状態でこそなかったもののまだ半分は残っていた。

それを一撃で吹き飛ばすとは尋常ではない。

ALOにおいて、攻撃ダメージの算出式はそれほど複雑なものではない。

武器自体の威力、ヒット位置、攻撃スピード、敵ダメージ側の装甲、それだけだ。この場合、武器の威力はほぼ最低、それに対してサラマンダーの装甲はかなりの高レベルだったと思われる。つまりそれをあっさり覆すほど少年の攻撃精度と、何よりもスピードが驚異的だったというわけだ。

少年は再びのんびりとした動作で体を起こすと、上空でホバリングしたままのサラマンダーのリーダーを見上げた。剣を肩で担ぎ、口を開く。

「どうする?あんたも戦う?」

その、あまりにも緊張感のない少年の言葉に、我に返ったサラマンダーが苦笑する気配がした。

何かを言いかけたサラマンダーのリーダーが、唐突にその口を閉じた。

訝しげに見上げた少年に釣られるように、サラマンダーのバイザーが降りたままの顔を見る。辛うじて見えるその目元が驚愕に見開かれていた。

その顔が───

斜めにずれた。

「……………………え?」

ずるり、と擬音語が鳴りそうな感じで落下したサラマンダーのリーダーの鼻から上部分は、どちゃっという音を立ててリーファの足元に落下した。

あまりにも現実感がなさ過ぎて、それが何なのか咄嗟に解からなかった。

少年もリーファと同じように、地面に縫い止められたように動けなかった。

その理由は───殺気。蛇に睨まれたカエルのような、そんな殺気。

圧倒的捕食者の前に立たされた、弱者のような気持ち。

その出所は、分かりやすすぎるくらいに単純解明だった。リーファと少年の真正面、深い闇が包む、大樹の間。ぽっかりと暗黒が口を開けているようなその奥からソレは流れ出ている。

そこから抑えがたい何か孕むような、そんな声が

「だいじょーぶ、おねーさん?」

した。
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