五 狐の道化 後編
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例年より多かったため、急遽行われた最終試験の予選を勝ち抜いたのは、表の道化を被る子ども。
全身で喜びを表す道化の心中は、ここまで昇ってきた快挙に何の感慨も持っていない。
三次試験の予選終了から本戦までは一ヶ月の日時が空いている。
ここぞとばかりに暗部の仕事が入る子どもにとっては、何の慰めにもならないけれど。
昼間は三忍の一角である男に修行を見てもらいつつ、夜間は火影の意思のもと暗躍していた。
予選終了日の翌日の深夜。
子どもに任務を授け、書類を片付ける傍ら、火影はいつものように水晶玉で動向を見守っていた。
一介の忍びには困難な、子どもにとってはこれ以上ないほど楽な任務――殲滅。
敵対する他国から潜入してきた忍び達。逸早く彼らを排除できるのは、子どもの実力があればこそ。
絶望の色を孕む、声にならない絶叫がほんの数分で途絶えた。愛用の忍刀の血を払うと、累々と積み重なった死体をいつものように特殊な炎で焼失させる。
そんな折に現れたのだ。
無言の闇に形作られた空間の中。ぱちんっと、白い光が弾けて。
落ちてきたのは…――――横島だった。
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