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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十一話
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と。その額、スワニ貨幣で七億枚である。三、『門』のあるアルヌスを中心に半径五百リーグの円を描く範囲を大日本帝国に割譲すること。更に新規に引かれた国境から十リーグは双方ともに兵を配置しない事。四、通商条約の締結である。

 これには議員達が反対した。特に七億スワニなど払える金額ではない。それに対して菅原は七億スワニは資源に代える事も可能だと伝えた。

 それに地下資源の採掘権等でも大丈夫だと菅原が言うと議員達は漸くホッと溜め息を吐いた。

 その光景を少し離れたところで見ていた樹は苦笑していたりする。

「と、兎に角話し合おう」

「そ、そうだな。きちんと交渉を始めなければならん。特に賠償額については双方の実情を照らし合わせて双方が納得いくようにな」

 議員達は口々にそう呟いてまるで暗示しているかのようである。ちなみに菅原の言葉にピニャは地面に倒れていたりする。

「大丈夫ですか?」

 倒れたピニャに、何かあったのかと勘違いした樹がピニャに近寄る。

「セ、セッツ殿。妾は……妾はもう駄目かもしれぬ。なので此処で言っておきたい。あの時は本当に済まなかった。イタミ殿にも言っておいてほしい。許してたもれ、許してたもれ」

「だ、大丈夫ですから。そんな自殺するような事は言わないで下さいよ」

「いや妾はもう駄目だ。お願いだ、許してたもれ」

「〜〜よく分からんけど、許しますから許しますから……うぉッ!?」

 樹の言葉を聞いたピニャが樹にしがみついていた。

「許してくれるのか……有りがたい……本当に有りがたい」

 そしてピニャは号泣する始末であり、事情を知らない樹が慌てるのであった。

 その後、皇帝第一子のゾルザル・エル・カエサルがパーティに乱入してくる場面もあったがピニャが適当にあしらって議員達を上手く逃がす事が出来た。

 ゾルザル本人はマルクス伯の間違いかと思いその場を後にしたが、まさかの第一子の登場にピニャは驚いていたが何とかあしらう事が出来て安堵の息を吐いた。

「ふむ、帝国の議員と接触出来たか」

「は、交渉の中身はこれからになるでしょう」

 大日本帝国内閣総理大臣の東條英樹は特地駐留大使の吉田茂の報告に安堵した。

「ですがスワニ貨幣で七億枚はやはり難題のようです」

「構わない、あれは囮だ」

「囮……ですか?」

 吉田の言葉に東條は頷いた。

「聯合艦隊司令長官の山本からの発案でな。賠償金を貰うのが普通だが、今の日本の状況を考えれば必要なのは資源だからな」

「成る程」

 海軍からの提案に陸軍は驚いたが、確かに資源を貰えば例え『何処かの』国と戦争になっても一応は東南アジアを占領しなくても戦争継続は可能である。(それでも戦略上、必
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