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我が剣は愛する者の為に
猫耳フードの男が大嫌いな少女
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ら帳簿を受け取って、内容を確認して俺は眉をひそめた。

「これは君が?」

帳簿から少女に視線を向ける。
内容を読んだ俺の声は少しだけ押しこもった声になっていた。

「そうよ。
 何か文句ある?」

「文句というか数が圧倒的に足りない。
 いや、もしかして・・・・」

「どうやら脳筋の馬鹿じゃないようね。」

自信に満ちた顔を見て、俺は確信した。
ここに書かれている糧食の数は半分も用意できていない。
こんな状態で軍を出発させれば、賊の住む砦に着く前に全員行き倒れになる。
そして、それを指摘した時の少女の顔。
わざと半分しか用意しなかったのだろう。
華琳の事を崇拝しているように見えて、実は華琳を陥れようとしている?
そう思ったが、すぐに否定する。
華琳に対する情熱的なモノは少ない言葉の中でも、すぐに感じる事ができた。
あれが演技だとすれば、この子は最強の詐欺師だ。
これを俺が確認せずに華琳に渡せば、華琳はこの子を自分の元に連れてくるように命令する。
理由を聞き、くだらない理由なら首を刎ねるだろう。
そこまで考えて、俺はこの子の狙いを読む事ができた。

「なるほど。
 俺は君を華琳の元に連れて行けばいいのかな?」

まさか、自分の狙いを読まれるとは思わなかったのだろう。
驚きの顔を浮かべたが、俺の言葉を聞いてチャンスと思ったのだろう。
小さく頷き、俺は華琳の元に向かう。
さて、この子がどんな策を考えているのか見せて貰おう。
城壁の上で各部の報告を聞いていた華琳。
傍には春蘭、秋蘭、そして武器のリストを渡しに来た一刀が居た。
他の皆は各々の仕事をこなしているのだろう。
俺は手に持っている帳簿を華琳に見せると、華琳は見る見る顔色を険しいものへと変える。

「縁・・・・」

「言いたい事は分かる。
 しかし、それは俺ではなくこの子に聞いてくれ。」

後ろで控えていた少女はその言葉に一歩前へ出る。
華琳の鋭い威圧を受けても怯むことなく、眼を合わせる。
さすがに華琳の前だと、フードを脱いでいる。

「では、この帳簿に書かれた内容について説明してもらおうか。
 納得のできない説明であったら。」

「はい。
 その時はこの首を刎ねて頂いても構いません。」

「二言はないな。」

ひゅ〜、と思わず口笛を吹く。
眼を見て分かる。
この子は納得させるだけの根拠を持っている。
持っているからこそ、首を差し出す真似をしてクリアした時の印象を良くしようとしている。
傍から見れば博打のように見えるが、納得させられると確信しているのなら上手い駆け引きだ。

「では、説明を始めさせていただきます。
 理由は三つ。
 一つは曹操様は慎重なお方ゆえ、必ずご自分の眼で糧食
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